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5月11日(木) 旧暦4月16日
思いっきりカメラをズームにして撮ってみたが。。。。。 今日は萩原朔太郎の忌日である。 朔太郎の詩集『月に吠える』より1篇のみ短い詩を紹介したい。 卵 いと高き梢にありて、 ちいさなる卵ら光り、 あふげば小鳥の巣は光り、 いまはや罪びとの祈るときなる。 詩人の小笠原眞さんが「東奥日報」の記事を送ってくださった。 詩人の井川博年さんによる小笠原眞詩集『父の配慮』の書評である。 全文を紹介したいところであるが、いずれ「ふらんす堂通信」に転載させていただくつもりなので、すこしだけ紹介したい。 タイトルは「失われたものの大きさ」 「父の配慮」は、十和田市に住む小笠原眞さんの6年ぶりの新詩集。一篇一篇楽しみながら読み終えた。 (略) ひとは亡くなって初めて失われたものの大きさに気付く。当たり前のように甘受していたものが、実は掛け替えのないものだったことに。その最大のものが「父の配慮」だろう。 自宅で最期を迎えることが 父の切実な願いであった その願いを叶えるべく ぼくたちは努力をし そしてそれが最後の親孝行だと 静かに悟った とあり、母が死んでから十六年間同居していた父、真面目で几帳面でしっかりしていた父は、 歩けなくなり 食べられなくなり 飲めなくなり そして下顎呼吸になって 蝋燭が燃え尽きるように 静かにゆっくりと息を引き取った こうして父は自宅で自然死を遂げるということの大事さを、身をもって医師の息子に伝えたのである。 「昴」6月号では、第32回詩歌文学館賞の特集記事が掲載されている。俳句部門でふらんす堂刊行の後藤比奈夫句集『白寿』が受賞となった。俳人・岩岡中正さんの選評がすばらしい。いま発売のものなのでほんの少し紹介したい。 これは、おそらく俳壇の現役最高齢の九十九歳の著者の第十四句集。白寿の華である。六十余年の句業が集約された、ゆとりと豊饒、円熟と自在の句集である。 (略) ただ白寿は長寿、それに円熟そのものがめでたいわけではない。 かく雪の日なりき二・二六の日も の句のように、大正から平成へと著者の百年の人生は、当然のことだが困難に満ちていたに違いない。本書から伝わってくる魅力は何より、さまざまな苦難にも動じないこの軽やかな主体そのものであり、こうした人格の表現である作品の豊かさである。 白寿まで来て未だ鳴く亀に会はず の句で終るが、この飽くなき好奇心とユーモアの精神に、心から敬意を表したい。 「さまざまな苦難にも動じないこの軽やかな主体」という言葉に深く感じ入った次第である。 お客さまが夕方お二人見えた。 「椋」俳句会に所属する白石正人さんと福田鬼晶さんである。 おふたりは髙柳克弘さんが指導する「ふらんす堂句会」の熱心な会員でもある方たちだ。 今日は白石正人さんが句集をつくるご相談に見えられた。 白石正人さんは、大木あまりさんに出会って俳句をはじめられ、いまもあまりさんにご指導をいただいている。 2010年、ふらんす堂主催の「ふらんす堂句会」で髙柳克弘さんの指導を受けるようになる。 同年、よみうりカルチャー荻窪の石田郷子講座「吟行俳句」を受講するようになり、いまでは「椋」で福田鬼晶さんともども俳句を学んでおられる。 福田さんはよき俳句仲間でありライバルでもある。 今日は担当のPさんと本の造本、装釘などじっくりと相談された。愛書家としての白石正人さんである。 どんな本づくりを選ばれるか、興味のあるところである。 タイトルを迷われていたが、福田鬼晶さんのひと言で、素晴らしい句集名となった。 明日は新刊紹介をします。
by fragie777
| 2017-05-11 23:51
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