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3月9日(木) 旧暦2月12日
春の川。 先ほどまで、「鷹羽狩行俳句集成」の初句索引の読み合わせをしていた。 今日で三日目になるが、まだ終わらない。 あと一日か一日半は必要かもしれない。 「初句索引」が終われば、「季語索引」の読み合わせが、待っている。 こちらはもっと時間がかかることになると思う。 こういう全句集的な集成は、思った以上に時間がかかってしまう。 「狩」35周年を記念しての刊行の予定であったが、とてもとても間にあわず来年の「40周年」を目の前にしての刊行となりそうである。 鷹羽先生も、時間のかかることは了解してくださっている。 先日、束見本やら栞のゲラなどをお送りしたら、 「だんだんを足音が近づいてきました。」と嬉しそうにおっしゃっていた。 全句集や集成は、体力と集中力のいる力仕事であるが、やりがいのある仕事だ。 新聞記事をひとつ。 毎日新聞の5日に坪内稔典さんによる「季語刻々」に井田美知代句集『遠き木』が取り上げられている。 十代の尖りてゐたる蕗の薹 井田美知代 蕗みそでも食べていて、その早春らしい苦みから10代の尖っていた日々を思い出したのだろう。私なども10代はひどく尖っており、フキノトウなどには関心がなかった。やや円くなったころ、フキノトウががぜん美味にあった。句集『遠い木』(ふらんす堂)から引いたが、次が表題作だ。「遠い木のやうに子のゐる弥生かな」 わたしも尖っていたかもよ。「桜なんてくそっ食らえ」ってわざとヨレヨレにしたコートを羽織って、肩で風切って歩いていた。女であることが疎ましくって全世界に対して文句をいいたい気分だった。フキノトウ? 田舎の子なのに全然知らなかったし、興味もなかった。もっちろん、今では美味しく食べるけど。この間友人に教えて貰ったフキノトウのオリーブオイル和え、みごとに失敗した。緑色に美しく仕上がる筈だったんだけど、茶色になってバサバサしてんの。頭に来て全部捨てちゃった。友人に言ったら「あらら、もったいない」って笑っていた。その後ふたび挑戦したんだけど、やっぱりダメ。フキノトウを軽視してきたから、フキノトウの逆襲にあっているんだ。きっと。 というか、熱心な印刷屋さんの営業マンであるKさんが届けてくれたのだった。 紙はここ数年でずいぶん内容が変わってきている。 廃版になってしまった紙も少なくない。 わたしはこの紙の見本を見るのが大好き。 「へえーっ、こんな用紙が新しくできたんだあ」などと言いながら、この紙をこれからつくる本のどこに使うか考えたりする。 実は、本づくりをしていて、一番楽しいのがこれである。 装丁家さんと相談しながら、新しい用紙をどんな風に使ったら面白い本ができるだろうか、などなど。 夢のある仕事よ。 今使っている紙見本は、このように抽出に収められている。
by fragie777
| 2017-03-09 20:41
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Comments(1)
Commented
by
白濱一羊
at 2017-03-10 20:41
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狩行先生の全句集、ついにでるのですね。
ふらんす堂は信頼されているのですねー。 総会の時、狩行先生には気が臆してご挨拶できませんでした。 今度の機会にはyamaokaさんのエプロンの陰から挨拶しようかな?
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