カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
外部リンク
画像一覧
|
1月6日(金) 芹乃栄(せりすなわちさかう) 旧暦12月9日
名前を尋ねたが知ることができなかった。 紫陽花のような葉であるが、、、 ミハスは「白い村」とも呼ばれカサブランカ(白い家)と呼ばれる家が建ち並びきわめて美しい街である。 天気のよい日にはジブラルタル海峡が見え、モロッコが遠望できるという。 この日は残念ながら見えなかった。 今年の目標をひそかに立てた。 ブログで公開してしまってはひそかも何もあったものじゃないけど、公開しちゃおう。(大したもんじゃないのよ) 目標は、「ググる」。 意味わかります。 つまり、パソコンに向かっていると、いや向かっていない普段の日常生活においても、分からないことって多いでしょう。そういう時って、人に聞いたり本で調べたり辞書を引いたりして知ることができたりするんだけど、わたしの場合、仕事上のこと、特にパソコン関係のことなどついスタッフに頼って、「ねえ、Excelでこういう時ってどうすんの」と聞いてしまう。スタッフ達はそれぞれ忙しい仕事の手を休めて答えてくれるわけだが、時には「ググって下さい」といわれる。つまり、グーグルなどで検索をして調べろというのである。 これを習慣づけるとかなり便利になる。 人に聞くのはたやすいがすぐに忘れる。 時間と読解力が必要になるが、「ググれ」ば大方のパソコン上の疑問は解決してくれる。 パソコン上のことだけでなく、調べたいことは大方わかる。 21世紀を生き抜くためには、この「ググれ」を身につけておこう。 ただ、情報の正確性は絶対的ではないのでそこんとこは注意をしなくてはいけないのであるが。 スタッフに聞く前に「ググれ」 これが今年の目標である。 新刊紹介をしたい。 著者の柿村新樹(かきむら・しんじゅ)さんは、昭和9年(1934)山口県生まれ、現在山口県岩国市在住。昭和24年(1949)に「由宇蝸牛句会」に入会、高橋金窗に師事して俳句を始める。昭和35年(1959)「氷海」に入会し、秋元不死男に師事、同人となり「氷海」終刊後は、昭和53年(1978)「狩」(鷹羽狩行主宰)創刊と同時に創刊同人として参加、現在にいたる。平成19年(2007)に郷土史研究で「岩国市文化功労賞」を受賞されている。郷土史研究者としての著述もよくされている。本句集は、前句集『島影』に次ぐ第3句集となる。今年83歳になられる著者である。 本句集に鷹羽狩行主宰が、帯文を寄せている。 草刈機の疲れを担ぎ戻りけり 夏の草刈り作業はまことに過酷。人間の疲れを言わず、機械のほうをいたわる。 湧くやうに子らが集る地蔵盆 一茶の〈雪とけて村一ぱいの子どもかな〉さながら、子沢山だった昔を活写した。 落葉して前方後円墳古ぶ 古代の前方後円墳だが、それが落葉どきに、また年を重ねたと見たのである。 句歴の長い著者であり、句材の発見も、その表現も一致していて、見事である。 著書の柿村新樹さんが暮らす岩国市由宇町とはいったい山口県のどの辺にあるのだろうかと調べてみた。昨年の3月にわたしは山口県の山口、萩、津和野と幕末の志士の痕跡を尋ねる旅(と勝手に決めた)をしている。いま地図でみると、岩国市は山口県の東に位置し広島県にちかく瀬戸内海をのぞむ市である。わたしが訪れた場所よりはるかに遠い。由宇町は岩国市を南下した海沿いの町だ。本句集を読み進むとどこか長閑で穏やかな人々の暮らしぶりが見えてくる。また、柿村さんご自身の文学青年をその心に宿したまま年齢を重ねられた温厚な人柄も作品を通して伝わってくる。 観梅や白髪光らせ妻も吾も 妻が顔崩して熟柿啜りをり うつむいて低く歌へる卒業歌 空梅雨の暗渠が少し水を吐く 恋猫の貌たくましく戻りけり 無位無官虫の音かはた耳鳴りか 父祖の声どこかに山の冬菜畑 酔顔かはた紅顔の雛ひとり 家建つる音も陽炎ひゐたりけり 無人駅西日を溜めてゐたりけり 花賞づる私語が洩れゐる選挙カー 夕焼けに染まり白髪の妻戻る 青麦や軍歌の世代多く去り 子に語る墨塗り教科書黄落す 醬油屋の雛の灯醬油色をして 行く春の畦が集まる開拓碑 惜春や山椒魚は目を瞑り 田搔機の泥の匂ひを追越せり 啞蟬の胸にぶつかる力かな 胸になにか難いものがガツンとぶつかってきた。その衝撃で気づくとそれは蝉だった。鳴いている蝉であればはじめから蝉だって気づいただろう。鳴くことによって蝉はエネルギーを消失する。啞蝉であればこそ身体に籠められ発散されないエネルギーごとぶつかってくる。しかも胸にである。まるで自身の存在を人間に知らしめるその挑戦であるかのように。 (略)「柿日和」は、少年時代に、英語の単語を記憶するため手作りのカードをポケットに忍ばせて近くの山野を歩いていたとき、日当たりのよい所に腰を下ろしてふと仰いだ柿の色づいた葉の向うに広がる、晴れ渡った晩秋の深い空の色に感激した心をどのように表現したら……という自分への問いかけが、私の詩精神の原点とでも言えるような気がしておりましたことから、今句集名としました。 (略) 多くの知友の方々のご好誼と妻の献身のお蔭で平均寿命を超えることが出来ました。私にこれからどのくらい時間が残されているか分かりませんが、老いの一徹を貫き、自分流に物事の本質を探究し、平明を心がけた俳句を杖代わりに作り続けたいと思っています。 「あとがき」より抜粋した。なんとよき命名だろう。青春の日の感動がそのまま出発点となっている。 本句集の担当はPさんである。以下はPさんの好きな句を挙げたい。 囀れり小鳥は籠を震はせて 島々が近く見ゆる日鷹渡る 山霧にこゑ膨らませほととぎす 天仰ぎいてふも人も鶴を待つ 木漏れ日に教へられたる蕗の薹 山鳩の声のみじかく終戦日 餅花が垂れ故里と思ひけり 丸き顔なほ丸くして枇杷啜る 初鴉こゑに濁りのなかりけり 瀬戸内や島ふくらませ椎の花 水底の闇連れて浮くかいつぶり 本句集の装釘は、前句集『島影』と同じく君嶋真理子さん。 柿色を強調するために緑との色合いのなかに装釘をした。 タイトルはつや消しの金箔押し。 帯の色と同じ色。 扉。用紙はカバーと同じ。 花布は柿色。 栞紐は、表紙と同じ深いグリーン。 年が改まってあらためて「とても気に入ってます」というご丁寧なお電話をいただいたのだった。 句集にも妻を詠み病気を案じ、愛妻家でおられる柿村新樹さんである。 ご夫妻のご多幸をお祈り申し上げたい。 かなかなの声の沁みたる帽子脱ぐ ふたたび蝉の句である。かなかなが凄まじく鳴く道を時間をかけて歩いてこられたのか。帽子にふりそそぐかなかなの声。脳天を覆いつくす。目的地に着き、帽子を脱ぐことによってやっと蝉声から解放された。その帽子にはまだかなかなの残響がしぶとく染み付いている。「声の沁みたる」という表現にその時の蝉の激しさがうかがいしれる。う~む。先ほどの蝉の句といい、柿村さんはひょっとしたほかの人間だれよりも約10センチほど蝉社会(?)に近いところにおられるのかもしれない。愛すべきお方として蝉からマークされているのかもしれないな。 明日は、紹介しきれていない新聞の掲載記事などを紹介します。
by fragie777
| 2017-01-06 20:29
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||