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8月29日(月) 旧暦7月27日
わたしの目の高さにいた。 秋の蝉はそう思って聞くためか、どこかもの淋しい。 韓ドラ時代劇をみていると、八つ裂きの刑というのがあって、四頭の牛に縛りつけられたそれそれの四肢を牛に引っ張らせて身体を裂くという、なんとも恐ろしい刑がある。けっこう頻繁に出て来るそんな場面を目を覆いながら観ているのであるが、もっと恐ろしい刑が16世紀のイギリス大英帝国時代に行われていたことをシェイクスピア関係の書物で知った。 それは、首吊り・内蔵抉り・四つ裂きの刑というもので、これを連続して罪人に行うというもの。首吊りだけでもう死んじゃうじゃないって思うでしょう。ところが、そうはいかないようになっている。まさに残虐きわまる刑で、首を吊り、息絶える前に縄を切って甦生させ、性器を切り取り、内臓を抉り出し、心臓を取り出して、(もうここで死んじゃうとおもうのだけど、)それをまだかろうじて意識のある本人の鼻先に突きつけてから火に投じると同時に斬首し、遺体を四つ裂きにして、手足と首の5つをあちこちに晒すのである。 嗚呼、なんともむごたらしいことよ。 それが英国教会によるカトリック弾圧の刑として行われたというのだから、言葉がない。しかし、ヨーロッパの歴史を辿れば宗教弾圧の凄まじさはこれに限らないことが分かろうというものだ。カトリック教徒であったシェイクスピアもこの弾圧の埒外にいたわけではなく、母方の縁筋の人間がこの残虐な方法によって処刑されている。ひとたび嫌疑の目が向けられれば拷問に次ぐ拷問で自白を強要され処刑ということにもなりかねない。シェイクスピアはそんな不安におびえる状況のなかで生きていたということを改めて知ったのだった。ハムレットにおける髑髏のように、死はいつもシェイクスピアの傍らにあったのだ。 さて、いくつかの記事を紹介したい。 昨日のブログで紹介した立木勲詩集『ヨンとふたりで』が、27日付けの信濃毎日新聞に紹介された。タイトルは「妻への思い込めた詩集ー30年間の夫婦生活題材に」 「夫婦のパジャマや肌シャツに開いた穴などを題材に、2人が積み重ねた生活を回想。今なお緊張を残す日韓関係や、立木さんが受けた会社からの厳しい評価に対する夫婦間のやりとりなどを含め、繊細に表現している。」 立木さんは伊那北高校(伊那市)、横浜市立大卒業後、現在までIT産業の第一線で働いてきた。「自分の言葉を取り戻したい」との思いから詩作に向き合った。 「僕とあなた」と題する詩では「今日も 明日も その次も 僕がいてあなたがいる あなたがいて僕がいる 僕が あなたが 壊れないように ひとつ ひとつ 時をつくる」とづづった。結婚30年、子どもはいない。詩集には長年寄り添ってきた妻への愛情がちりばめられている。 立木さんはカルチャーセンターで詩を学んだ。実務的なビジネス用語とは異なる詩をつづる過程で、言葉が本来持つ豊かさや難しさを実感している。「本当はどこに」と題した詩ではそんな思いを込め、「僕はいま『本当』を生きているのだろうか その『本当』は言葉になっているのだろうか 言葉と僕は繋がっているのだろうか」と表現した。 「詩を書くことで私にとって妻がどんなに大切な人かをあらためて感じている」と立木さん。「表現し、いろいろな感想を頂く中で、多くの人とつながれるのが詩」と話し、今後も創作活動を続けるつもりだ。 今日の毎日新聞の新刊紹介では、小社刊行の書籍が二冊紹介されている。 一冊目は三代寿美代句集『縁』。 白玉や次の言葉が見つからぬ 三代寿美代 1959年生れの著者の第1句集。「鷹」同人で、藤田湘子、小川軽舟の指導を受けてきた30年あまりの作品だが、叙景句がほとんどないことに注目した。自身を見つめ人間に執し続けた個性的な一冊である。 もう一冊は伊奈秀典句集『房総』。 山河にも届く宣誓運動会 伊奈秀典 第1句集。著者は「濱」で俳句を始め、大野林火の死後中断。現在「いには」同人。林火の称揚した青春性と叙情を70代の今も失っていない。 今日の讀賣新聞の長谷川櫂さんによる「四季」は、福井芳野句集『秋薔薇』より。 羊みなカントの顔や秋の牧 福井芳野 これはおもしろい絵になりそうだ。カントの顔をした羊たちが牧場にちらばってこちらを見ている。羊がカントのようなのか、カントが羊のようなのか。自毛か鬘かは知らないが、十八世紀のあの髪型が羊そっくり。句集『秋薔薇』から。 台風の影響下、雨がこれから激しくなりそうである。 私は、長靴を履き、レインコートを着てきた。 わたしの家の勝手口のところの水はけが悪い。 急激な雨があったりすると、ブリキのバケツやポリトランクなどがホコホコと浮かび出す。 ちょっと心配しているのだが、雨が止むとすぐ忘れてしまう。 いつか散々な目に遭うと思うんだ。。。。
by fragie777
| 2016-08-29 19:15
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