「笑い」と「読みの多様性」

8月25日（木）　旧暦7月23日

父と子。

今日は「即席ラーメン」の日だそうである。

1958（昭和33）年、日清食品が世界で初めてインスタントラーメン「チキンラーメン」を発売したことを記念して制定。

わたしがはじめて即席ラーメンを食べたのは、まだ小学生になったばかりの頃だと思う。

父も母も祖母も、それがいったいいかなるものか、まったく未知のものとして認識され、夕飯の食卓にのったのだった。

おどんぶりに硬いラーメンがおかれ、それに恭しく熱湯をかけて待つ。兄も弟も神妙にして静かだ。いま思うとインスタントラーメンの食べ方としてはあまりにも厳かな空気がそこに漂っていたように思う。

父も母も働いていたので、家にいた住み込みのお手伝いさんが一人一人のどんぶりに熱湯がまるで奇跡を起こす魔法の水であるかのように注ぎいれたのだった。

いいこと、３分待つんですよ。

わたしたちは息をこらして待つ。

あの場面を思いだすとちょっと笑ってしまう。

最初の一口のラーメンの味はいまだに忘れない。

美味しいともまずいとも、なんとも奇妙な味だった。

わたしは、食べきれず半分くらい残してしまったように記憶している。

今わたしが好きなインスタントラーメンは、チャルメラと札幌味噌ラーメンである。

あの時と比べると格段に美味くなったのは言うまでもない。

「鷹」9月号を送っていただく。

ふらんす堂から句集『中略』を上梓した加藤静夫さんと句集『寒林』を上梓した髙柳克弘さんのおふたりの対談を興味ふかく読んだ。タイトルは「俳句で『今』を詠む」。短い対談ながらはじめから終りまで面白い。しかし、このブログではそれぞれの発言を一つずつ、紹介したい。

加藤　僕は初め、俳句は神社仏閣など古いものを真面目に詠むものだと思っていました。長谷川等伯とか、雪舟、若冲などの世界を俳句で詠みたいとも思ってましたが、鷹に入会して間もなく、石嶌岳さんの句集『岳』を読んで、「若冲の襖双鶏神の留守」という句があるのを知り、こりゃ、同じようなことを詠んでも太刀打ちできないと思い、やがて、「今」を生きる「人間」を詠むようになったわけです。人間はもともと可笑しな存在ですから、人間世界を普通に詠めば自然に「笑い」は醸し出されるものだと思います。

「笑い不可欠」と大上段に構えるほどのことは無かったのですが、こういう時代ですから、たとえば原発を「笑い」で茶化すような句は不謹慎だと言う人もいるかと思います。

でも、そういう硬直した頭をほぐさなければ、原発問題も袋小路に入ったままでしょう。その頭をほぐすためにも「笑い」は大切で、必要かどうかより、問われているのは「笑い」の質かと思います。

僕はあまり「黒い笑い」にはならないよう心掛けているつもりです。

（略）

加藤　こういう時代に結婚し、子育てをする髙柳君は本当に大したものだと思いますが、不安は無いのでしょうか。

髙柳　そう正面切って聞かれると、考えこんでしまいますよ（笑）。人類史は不条理の歴史であって、どんな時代にも何の罪もない子供が無残な災厄に巻き込まれたりすることはあるわけで、不安といっていたらきりがない。できるかぎりそういったものから我が子を遠ざけるということに力を尽すしかなきかな、と。

そういう意味で、私は現代性と普遍性は必ずしも矛盾しないのでは、と思っています。原発事故は特殊な事例かもしれませんが、災害で人がたくさん亡くなることは珍しいことではないですよね。『寒林』の「瓦礫の石抛る瓦礫に当たるのみ」と抽象的な前書きを付けたのは、東日本大震災のことと限定したくなかったからです。中東の戦争のこととも読めるような余地を残しておきたい。現代を詠むということは大切ですが、読みの多様性を担保したいという思いは強いです。

（略）

俳句をつくる際の二人の俳人の意識のおきどころが明確化されて本当に面白い対談だ。

俳句総合誌「俳句」9月号で、木内徹さんによって野口米次郎（のぐち・よねじろう）のことが紹介されている。（なかなかのイケメンだ）「俳句を世界に広めた人」として。

野口米次郎　明治8年、愛知生まれ。詩人・英文学者・俳句研究者。明治26年に渡米。英米滞在中に執筆活動を行い、ヨネ・ノグチの名で知られる。彫刻家イサム・ノグチの父。昭和22年没。とある。

そして野口米次郎がいかにして俳句を世界にひろめていったが詳細に論じられているものだ。

わたしもはじめて接する情報である。（恥ずかしながら……）

しかし、である。

ふらんす堂のホームページの「8月の詩」は、なんとこの野口米次郎の作品である。

紹介者は、ふらんす堂スタッフの文己さん。

なかなかいい詩だ。タイトルは「海の騎手」

　私は嘗（かつ）て平和の小さい歌を地上に見出せしが、
　今私は粗暴の歌に沈黙の轟(とどろ)くのを聞く。
　私は海と沈黙の支配者。

数行を引用してみたが、格調高いでしょう。

興味のある方は是非にアクセスを。

今日はおやつにアイスクリームをみんなで食べた。

お隣のセブンイレブンのアイスクリームだ。

それぞれが好きなアイスを選んで食べたのだが、なんとわたしのアイスが一番カロリーが高かった。

緑さんと文己さんが、90カロリー、Pさんが280カロリー、そしてわたし、なんと300カロリーを超えている！

囓ったあとに気づいた。

ガーン！！

今日はこれから仙川周辺を歩き回るつもり。

ポケモンを捜しながら、あっちこっちと歩けばカロリーも消費されるというもの。

でも、

300カロリーを消費するってどのくらい歩くんだろう。

20匹くらいモンスターを捕まえないとな。。。。。。