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4月8日(金)花祭 虚子忌 旧暦3月2日
歌人の髙野公彦氏へお手紙を書いたのであるが、日付のところに虚子忌と付した。 日頃はあまりそういうことはしないのだが、今日は虚子忌と記してみた。 しばらくながめていると、桜が見え、椿がみえ、鎌倉がみえてきた。 封緘をしたあともしばらく、その文字が心に浮かんでいた。。。 稲畑廣太郎さんの「俳句日記」は、やはり虚子忌を詠んでおられる。 虚子は、廣太郎さんにとっては曾お爺さまとなる方だ。 芦屋育ちの廣太郎さんは、どうやら鎌倉があまりお好きでないようだ。 その理由もおもしろい。 鎌倉はおもむきのあるところである。 桜の咲くころ、詩人の田村隆一さんに原稿をもらいに行ったことを思い出す。 ねじり鉢巻きで現われた田村隆一さん、 「ひとまわり桜を見てらっしゃい。その間に原稿を書き終えるから」 北鎌倉を桜を見ながらひとまわりして、詩人をふたたび訪ねたら、原稿はしっかり書き上がっていたのだった。 鎌倉の桜は、わたしに黄色いパジャマを着た背の高い詩人を思い出させる。 稲村ヶ崎の海。 あれから桜はいくたび咲き、そして散ったであろうか。。。 虚子の愛弟子の深見けん二氏は、虚子忌の句をたくさん詠んでおられる。 『深見けん二俳句集成』より。 椿寿忌やわが青春の稽古会 手づかみの草餅大き虚子忌かな 温顔もくぐもる声も虚子忌来る 師に捧ぐ一書の成りて虚子忌来る 年深く鎌倉遠き虚子忌かな 「集成」を手にされた深見けん二氏は、今日の虚子忌を深い感慨のもとに過ごされていることだろう。
by fragie777
| 2016-04-08 19:51
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