カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
画像一覧
|
3月26日(土) 旧暦2月18日
今日は第4回星野立子賞の授賞式である。 藺草慶子さんの句集『櫻翳』が受賞。 桜の咲く季節にふさわしい句集の受賞となった。 星野立子賞は今回で4回目となる。 第1回は、津川絵理子さんの第2句集『はじまりの樹』が受賞、そしてこの度の第4回の受賞とふらんす堂刊行書籍としては二度目となる。 力のある女性俳人の句集を刊行させていただけるというのも版元としてはとても嬉しいことである。 (きっと、藺草慶子さんは今日はお着物だろうなあ……)と思っていたのだが、 予想どおり、美しい和服姿だった。 しかも、桜のお着物だ。 前列前左より黒田杏子さん(選考委員)、大西朋さん(星野立子新人賞)、藺草慶子さん(星野立子賞)、小尾圭之介さん(上廣倫理財団理事)、涼野海音(星野立子新人賞)、西村和子さん(選考委員)、星野椿さん(選考委員)、後列右より小澤實さん(選考委員)、星野高士さん(選考委員)、岸本尚毅さん(選考委員)、中西夕紀さん(選考委員)の方々。 赤い花をつけているのが受賞された方々。 ご受賞の皆さま、 今日はおめでとうございました。 心よりお祝いを申し上げます。 一週間ほど前に立子のお墓にお礼のお参りに行ってまいりました。星野立子というと天性の作家という思いがありますが、残念ながらわたしはそういう作家ではありません。立子のお墓に向かってちょっと才能を分けてください。とお願いしました。ただ、わたしには誰にも負けない、誰に言ってもいいねえ、ってうらやましがられることがあります。それは「俳縁」俳句に関するご縁に恵まれているということです。20代のころから、申し上げますと山口青邨先生、黒田杏子先生の出会い、黒田先生がご指導してくださった若手の超結社の「木の椅子会」、古舘曹人先生の「ビギン・ザ・テン」の句会、30代では大木あまりさんを中心とした超結社の句会、そしていま「星の木」でご一緒している大切な仲間である石田郷子さん、山西雅子さん、亡くなられてしまいましたが八田木枯さん、現在ご一緒している「木曜会」「雛の会」など数えられないくらいたくさんの方々とのご縁をいただいております。現在病気療養中の斎藤夏風主宰、今日は体調不良のため欠席となってしまいましたが大木あまりさんはたいへん喜んでくださいました。 今回の句集のあとがきでわたしは、「言葉はどこまで届くだろう」と書きました。前の句集から13年、この間東日本大震災がありました。衝撃でした。一瞬ですべてが無くなってしまうことを観念ではなく実感しました。恥ずかしいことですが、俳句がつくれなくなってしまいました。その時に俳句について、言葉について考えなおすきっかけが出来ました。なにより自分の無力さを感じる出来事でした。で、その一方で、死ぬまでにもう一冊句集を出したいという思いが強くおこり、今回の句集上梓につながりました。そのようなわたしのつたない思いを受け止めてくださった選考委員の皆さまにあらためて御礼を申し上げます。立子の名に恥じないようこれからも精進してまいりたいと思います。これからもよろしくお願い申し上げます。 すこし声をふるわせながらご挨拶をされた藺草慶子さんだった。 藺草慶子さんを囲んで、お祝いにかけつけた女性俳人の皆さま。 左から鶴岡加苗さん、小川楓子さん、山西雅子さん、井越芳子さん、藺草慶子さん、名取里美さん、増山叔子さん。 「星野立子賞」は多くの女性俳人にとって魅力ある目指したい賞である。 星野立子賞は公益財団法人上廣倫理財団の主催によるものである。 祝賀会のときのご挨拶で事務局長の丸山登さんが、こういう「賞」は続けていくことがたいへんであり、そのことが大事であると語られた。 それを伺いながらわたしは、(うん、そう、そう)と心の中でうなづく。 「田中裕明賞」のことを考えていたのだった。 続けること、 それが大切。
by fragie777
| 2016-03-26 23:33
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||