カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
外部リンク
画像一覧
|
2月23日(水) 霞始靆(かすみはじめてたなびく) 旧暦1月17日
嬉しいお知らせがあります。 藺草慶子句集『櫻翳』が、第4回星野立子賞を受賞しました。 今日送られてきた「俳句」4月号で発表されてます。選考委員は後藤比奈夫、黒田杏子、西村和子、小澤實、星野椿の各氏。選評も掲載されています。最終候補にのこった七冊のうちふらんす堂刊行の句集は四冊、石田郷子句集『草の王』、杉山久子句集『泉』、益岡茱萸句集『汽水』そしてこの度受賞した藺草慶子句集『櫻翳』です。最終的には、『草の王』と『櫻翳』の二冊に絞られて、甲乙つけ難かったが、最終の投票で『櫻翳』に票が集まり、受賞が決定したとは、後藤比奈夫氏の選評のことばである。 藺草慶子さま、ご受賞おめでとうごさいます! こころよりお祝いを申し上げます。 立子は尊敬する大好きな作家。今回の受賞をとてもありがたく思っております。(略)いつか立子のように、軽やかに自由に、突き抜けた一句を授かればと願っております。 藺草慶子さんの「受賞のことば」より抜粋した。 水に浮く椿のまはりはじめたる 降りしきる落花に舟を返しけり 花の翳すべて逢ふべく逢ひし人 十人の僧立ち上がる牡丹かな ひるがほや永劫は何待つ時間 火の映る胸の釦やクリスマス いづこへもいのちつらなる冬泉 なお句集『櫻翳』については、「ふらんす堂通信147号」で詩人の杉本徹さんが「王朝和歌と俳句との違いはある、いやむしろ違いをこそ逆手にとって、新古今の美学の現代における透徹したひとすじの光芒をかいまみる思いすらした」と記し、詩人の美意識をいたく魅了したものとして優れた評を寄せている。タイトルは「『残』と『香』」。 次号「ふらんす堂通信148号」では、村上鞆彦句集『遅日の岸』の俳人協会新人賞とともに特集を組む予定である。 さて、昨夕神保町で行われた「坪内稔典著作百冊出版お祝い会」は、俳人・歌人のみならず、岩波書店の編集者をはじめとしてさまざまな出版人があつまってそれは賑やかに楽しく坪内さんをお祝いした会であったそうである。 「とても華やかな会でした」とは参加したPさんの弁。 今日は平日の忙しい時期にお集まりいただきましてありがとうございます。 この100冊の本というのは、沖積舎の沖山さんが気がついてくれてこういう会を企画してくださいました。 本当はこれは色紙展のオープニングパーティだったんです。 僕がこどものころに一番最初に手にした本は「カバヤ文庫」というカバヤキャラメルのおまけでした。そして角川文庫。そういう本に出会って言葉が好きになったんです。本や雑誌の世界にあこがれを持ちました。中学生の時に父親にねだって謄写版を買ってもらって、紙の同人誌を印刷したりしました。雑誌をつくったり本をつくったりしていました。30歳前後の頃に大阪で友達と小さな出版社をはじめて、俳句の本とかだしたんです。でもたちまち借金の山になってしまいましたが、だけどそういうことをがなかったらもし僕が当人でなかったら、本を作るという仕事を選んでいたかもしれないなと思います。 好きな本というのは、文庫本とか新書とかという小さな本が好きなんです。大きくて厚くて固い本というのはあまり好きじゃない。原典は「カバヤ文庫」かもしれません。もう「カバヤ文庫」といっても知ってる方は少ないかもしれませんね。70代以上の人じゃないと知らない。 照れて話してるから話が長くなってるね。(笑) 僕はひとつやりたいことがあります。朝、最近パンを焼きます。ごめんなさい、語弊がありました……買ってきたパンをトースターに入れます(笑)。僕が焼いたパンでカミさんと二人で朝ご飯を食べる。朝ご飯を食べながら「今日は横浜にいって港が見たいな」と思ったらすぐにリュックを背負って横浜に出かける、そういう風な時間の過ごし方をしたい。ここ1年間はそういうことを思ってきたんだけど、まだ一度もできていない。そういう風に過ごすことが如何に難しいかということに気がついて、ぜひこれからはいろんな人の仕事をはい、はいと引き受けないで、朝ご飯を食べたらぱっとリュックを背負って福岡にいったり、会津若松にいったり、佐渡に行ったりしたい。そこで何をするかといったら別に何もしないんです。ただ、リュックを背負ってぱっといける、というそういう老人になりたいというのが僕の今の夢です。 といいながら今日も何冊か本を書く約束をしてしまった。さてどうなりますか。また別の機会にみなさんとお会いして飲んだり議論をしたりできることを楽しみにしています。本当にありがとうございました。 いま神保町にある「OKIギャラリー」で「坪内稔典展 記念色紙百展」が開催されている。 2月23日から3月3日まで。午後1時から6時まで。(日曜日は休み) 問い合せ先 電話03-6272-5202 FAX03-6261-1312 住所 東京都千代田区神保町2ー10 (地下鉄神保町駅下車 A4出口3分
by fragie777
| 2016-02-24 18:11
| 賞
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||