カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
画像一覧
|
2月26日(木) 旧暦1月8日
ひとつはお餅にきなこ黒みつのもの、もう一つはお餅にみたらしと胡桃入りのもの。 「すごい売れ行きらしいですよ」と話題になった。 「ああ食べたい! お隣のセブンイレブンにないかしら、、、あったら奢るからさ、誰か買ってこない?!」って言ったら、さっそくPさんが行ってしこたま買って来た。 わたしは、そのなかの「きなこ黒みつ」のものを今日は食べた。 明日は、「胡桃とみたらし」のものを食べる予定。 みんなで「うま~い、うま~い」ってとろけるような目をして食べた。 至福のひとときだった。 あーあ、明日がたのしみ。 このブログをみて、食べたいと思った人、ちかくのセブンイレブンに走っていけばひょっとしたらまだあるかも。 なかったらごめんなさい。 何しろ大人気らしいのよ……。 俳誌「鬣」第54号が送られてくる。 林桂さんが代表をつとめる意欲的なとりくみをみせる俳誌である。 そこにふらんす堂刊行の書籍について触れられているので抜粋して紹介したい。 まずは、酒井弘司句集『谷戸抄』について後藤貴子さんが書評をされている。 鬼やんま家を壊して出てゆけり 酒井弘司 山間地に赴任していた頃、オニヤンマがどこからか校舎に侵入してくることがあった。止まらずに飛翔を続けるため、姿を現さぬまま教室に羽音だけが響き、不気味だった。本句の鬼やんまは魔性の存在の暗喩だろう。その面構え、存在感。彼に魅入られた家は徹底的に破壊される。あるいは自然がもたらす暴挙…例えば地震など…の象徴か。酒井が多く用いる擬人化表現は、時として安直な印象を与えることもあるが、この句はオニヤンマの生態もあり、悪意を持った主体を感じさせることに成功している。(略)清新で感覚的、柔軟な作風で読みやすく、親しみやすい、、パステルの風景画のような印象。それが酒井の作品の魅力で、多くの読者を引きつけてきた。しかし、筆者はその平常感覚が実は物足りない。(略)酒井はかつて「俳人とは季節の岸辺を倦むことなく彷徨してやまない巡礼者の譬」と書いていたが、おそらく彼は今後も季節の岸辺をゆったりと歩みつづけるのだろうし、人間を自然の周辺物と思い、自然への憧憬を俳句の中心主題とする読者にとってもそれで充分満足なのだろう。 この鬼やんま、わたしは実際に家のどこかにぶつかって家のどこかを壊していったのだろうと思っていたのだけど、(鬼やんまってそのくらいのスピードと破壊性があり、びびってしまうことがある。彼に悪意はなかったと思うけど…)後藤貴子さんは、魔性の存在の暗喩としてとらえたのだ。こういう読みもあるのだと驚き教えられたのだった。でもわたしは鬼やんまだけでなく銀やんまとかけっこう好き。現れるとその場の支配力を賛嘆のこころで迎えてしまう。 もう一冊は、鴇田智哉句集『凧と円柱』について、外山一機さんが、「鴇田智哉のなつかしさ」というタイトルで「俳句時評」をされている。こちらも抜粋で申し訳ないが紹介したい。 昨年来、鴇田智哉が第二句集『凧と円柱』(ふらんす堂)を上梓した。俳人協会新人賞を受賞した第一句集『こゑふたつ』(木の山文庫、二〇〇五)以来九年ぶりの句集となる。鴇田の俳句は誰にも似ていない。だが読みすすむにつれ、画期的というよりも、その不思議な懐かしさと、このように書き続けることがありうるのだということへの畏敬の念が強くなるのは、この句集のつつましやかな佇まいによるものだろう。 むかしには黄色い凧を浮べたる どこまでの木目のつづく春の家 からすうりの花に子供のゐてしまふ 人参を並べておけば分かるなり 梅林のかたよる方へ胃のうごく さはやかに人のかたちにくり抜かる 上着きてゐても木の葉のあふれ出す 南から骨のひらいた傘が来る たとえば、現在において、アナクロニズムに陥ることのない俳句表現とはいかにして可能なのかという問いへのひとつの回答がここにあるのではなかろうか。鴇田の俳句表現の切り拓いたものを説明するのは難しい。たとえば鴇田の句はこれまでのどの句とも似ていないのに、しかし同時に懐かしいのである。向こうはこちらに腕を広げていないのに、なぜか抱きとめられているような気がするのだ。(略)しかしながら、鴇田の句がこの種の懐かしさに終始するのではなくどこか異質であるのは、鴇田の句の射程距離があくまでも遠くにあるかだろう。たとえば鴇田は「あとがき」で、三部構成の『凧と円柱』の第二章を「震災の痕跡」であると記しているが、いわゆる「震災詠」なるものとは異質の鴇田の句を読めば、鴇田がいったいどれほど厳しい場所に立って詠ってきたかがうかがわれるのである。 かなりはっしょって紹介してしまったので、ぜひ「鬣」を読んで欲しい。 「向こうはこちらに腕を広げていないのに、なぜか抱きとめられているような気がする」と外山さんは書くが、これってすご-くわかる。 外山さん、うまいことおっしゃるなあ。。。。
by fragie777
| 2015-02-26 18:43
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||