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11月17日(月)
弘前という町は城下町のもつ端然とした落ち着きがあり、 古き良きものを大切にする美しい町であった。 旧弘前市立図書館(きゅうひろさきしりつとしょかん)は、青森県弘前市にある歴史的建造物。1906年(明治39年)に建設されたもので、同市内の篤志家により建てられ、市に寄附されたものである。1930年(昭和5年)に図書館が別な建物に移転したことから民間に払い下げられたが、1989年(平成元年)市が再取得し市立郷土文学館の施設として保存・一般公開されている。1993年(平成5年)青森県重宝に指定されている。 とウィキペディアにある。 美しい建物だ。一般公開されているが中には入らなかった。 そしてこちらは、旧東奥義塾外人教師館。 旧東奥義塾外人教師館(きゅうとうおうぎじゅくがいじんきょうしかん)は、青森県弘前市にある歴史的建造物。1903年(明治36年)、弘前市立東奥義塾(現:東奥義塾高等学校)に招かれていた英語教師の宿舎として建設されたもので、1987年(昭和62年)の同校移転時に市に寄贈され保存・一般公開されている。1993年(平成5年)青森県重宝に指定されている。とウィキペディアにある。 この奥にフランス料理風レストランがあり、この日ここで昼食を食べた。 美味しかった。 面白かったのはこのコーヒー。 地元のRさんに「是非に」と言われて頼んだもの。 美味しくはなかったが、体験しておいてもいい。 この洋館の2階はそのまま教師館として残されているということ。 友人たちはほかに用があったのかどこかに行ってしまって、 わたしは一人で二階へと上がってみた。 誰もいなかった。 しかし、 そこにはとても素敵な部屋があって、まるで今でも外国人教師の家族が暮らしているようだった。 さあ、ご案内しましょう、 と言いたいところだが、あまりにも長くなってしまうので、 この続きは、また後日に。。。。 15日の「増殖する歳時記」は、今井肖子さんによって、藤本美和子著『綾部仁喜の百句』より。 七五三しつかりバスにつかまつて 綾部仁喜 七+五+三=十五、だから十五日に七五三を祝う、というのは俗説のようだが、枯れ色の深まっていくこの時期、七五三の小さな晴着姿は色鮮やかで目を引く。七五三というと、そんなかわいらしさや着慣れないものを着て疲れて眠った姿などが句となっているのをよく見るが、この句の切り取った風景は極めて現実的だ。目に浮かぶのは作者の視線の先の子供の横顔と、太すぎるパイプをぎゅっと握りしめている小さな手。バスは揺れ、そのたびに転ぶまいとこれまた履きなれない草履の両足を踏ん張る。バスにつかまる、というのはかなり大胆な省略だがリアリティがあり、子供から少女へ、さらにその先の成長をも感じさせる七五三ならではの一句となっている。藤本美和子著『綾部仁喜の百句』(2014)所載。 そして同じく今日の「増殖する歳時記」は清水哲男さんによって、新刊の甲斐一敏句集『忘憂目録』(ぼうゆうもくろく)より。 昔々勝手にしやがれという希望 甲斐一敏 そうか、もうゴダールの映画『勝手にしやがれ』は、「昔々」の域に入っているのか。調べてみたら1959年の製作だから、五十年以上も昔のフィルムである。見ていない人には説明の難しい映画だが、ストーリーとしては、官憲に追われた街のチンピラやくざ(ジャン・ポール・ベルモンド)がガールフレンドのアメリカ娘(ジーン・セバーグ)の密告で追いつめられ、最後は路上で警察の銃弾を受けて虫けらのように死んでいく、という単純なもの。しかしこのストーリーの画面上の展開技法は従来の映画の文法を打ち破る画期的な作品で、当時の若い映画ファンの度肝を抜いたのだった。ああ、映画はこんなに自由なメディアなのだ。見ていて、体中の神経や筋肉の緊張が解き放たれるような気分であった。作者が「希望」と言っているのは、思想的な問題もさることながら、そうした自由気ままな雰囲気から触発された多くのことを指しているのだと思う。日本語のタイトルは「勝手にしやがれ」だが、原題は『A BOUT DE SOUFFLE』で、直訳すれば「息切れ」とでもすべきだろうか。これを大胆に改変した日本語のタイトルは、秀抜である。この絶妙な日本語タイトルとあいまって、若者の「希望」はなお色濃くなったと言ってもよさそうだ。『忘憂目録』(2014)所収。 わたしもこのゴダールの映画「勝手にしやがれ」は大好きな映画だ。ジーン・セバーグのボーダーのシャツがなんとも素敵、そしてショートカットも。わたしの青春の映画だ。男が虫けらのように死んでいくところも悪くない。モノクロ映画というのも気に入っている。 この甲斐一敏句集『忘憂目録』だが、わたしはまだこのブログで紹介をしていないのだが、毎日新聞の大阪版の夕刊で大きく取り上げられ、著者の甲斐さんに記事を送っていただいた。一部を紹介します。 タイトルは「酔って詠んで句集にー陶淵明もかくあらんや」。 (略)タイトルにあるように、甲斐さんによれば「飲酒歴は50年超え、酒肴、酔郷、憂い、希望、妄想の目録」である由。中国の詩人で酒をこよなく愛した陶淵明が詠んだことから、酒の代名詞になった「忘憂の物」にならった。 あかまんまの花歌わず芋食わず 木枯らしや草間彌生の南瓜呵呵呵 序文を友人の中国文学者、串田久治さんが執筆。「酔中に揺れよ!甲斐!」の帯文を坪内さんが記す。1941年生まれ。2009年に「船団」の会入会。高槻市在住。 また改めてご紹介したい。
by fragie777
| 2014-11-17 20:02
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