ふらんす堂編集日記 By YAMAOKA Kimiko

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蜻蛉の翅にふれて

9月15日(月) 敬老の日

蜻蛉の翅にふれて_f0071480_1762873.jpg
神代水生植物園に咲いていた溝萩(みそはぎ)の花。


今日は祝日である。
大阪より俳人の平石和美さんが遊びにいらっしゃることになっている。
平石さんは、この7月にふらんす堂から第2句集『蜜豆』を刊行されたばかりである。

11時につつじヶ丘の駅で待ち合わせをした。
わたしは早く行って、漱石の『門』を読みながら待った。
物語はすでに山場をむかえ宗助は悟りを得たく寺の門をくぐったところである。
すごくおもしろい。
今回はその文章を味わうべく注意ぶかく読み進んだ。
思うにやはり漱石の文体は全体に漢詩の影響があるようにおもえる。
宗助の前に現れた老師を表現するに、「宗助が始めてその視線に接したときは、暗中に卒然として白刃を見る思があった」というくだりなど、非常に効果的な漢文的いいまわしだ。
「暗中に卒然として白刃を見る思」とは、さすがだ。
老師を表現するにぴたりと照準のあった言葉である。
しかし、全体の文章は漢語的な硬さをこえて読みやすいというところが漱石の小説家としての手腕だ。
(わたしちょっとえらそうよね、文豪をつかまえて)
いやはや宗助これからどうなる?というときに、平石和美さんの姿が見えた。



今日は深大寺を案内するつもりである。
平石さんは、深大寺ははじめてであるという。

蜻蛉の翅にふれて_f0071480_17531220.jpg
茅葺屋根の山門。
いつもどおりにぎやかなである。

深大寺は俳人がこのむ吟行地でもある。
わたしの知る限りでも虚子、草田男、皆吉爽雨、小林康治などの句碑がある。
今日はその句碑を見ながら、石田波郷のお墓へ案内する。
(といってもはなはだおぼつかなく、場所をたずねながらの案内だったけれども)


蜻蛉の翅にふれて_f0071480_17575120.jpg
平石和美さん。波郷の墓前にて。

平石和美さんは、辻田克巳の弟子である。辻田克巳の師は山口誓子である。
石田波郷の師系とはすこし異なるが、ともかくも深大寺をご案内する際はわたしとしてはお連れしたい墓前である。
しばらく佇んでおられた平石和美さんだった。


たくさんの秋の季語にも出会ったが、動物ともしたしくなった。

蜻蛉の翅にふれて_f0071480_1865310.jpg
深大寺そばを食べようと長い列にならんだ。(ここはいつも長蛇の列である)
わたしたちの前には犬も並んで待っている。
犬好きな平石さんばかりにすり寄る犬。(わたしは犬はこわくて緊張する)
「ジャック」という10歳のオス犬。


蜻蛉の翅にふれて_f0071480_1892045.jpg
仲見世通りにいた猫。


蜻蛉の翅にふれて_f0071480_1810519.jpg
なかよしの犬もいた。


深大寺は有名な植物公園もあるが、無料ではいれる水生植物園がいい。

蜻蛉の翅にふれて_f0071480_18112018.jpg
塩辛蜻蛉。翅の向きがおもしろい。

この蜻蛉はすごく人なつこく、たびたびわたしたちのそばに来てこんな風にとまる。
そばに行ってもじいっとしている。
まるで待っているかのように。

わたしは蜻蛉の翅をさわった。
それでも逃げない。
わたしたちのことを慕っているかのようだ。

「ジャック」って平石さんが呼んだ。

「ええっ! それってさっきの犬のことでしょ」とわたしが言う。

そしてふたりで大笑いをした。

いつの間にか蜻蛉は飛び去っていった。

わたしの指先にはさっきの蜻蛉の翅の感触がまだ残っている。
もっと触れていたかったな……


蜻蛉の翅にふれて_f0071480_18196100.jpg
水生植物園の平石和美さん。


たくさんお話してたくさん笑った一日だった。

今日の夜の新幹線で大阪に帰られるという。

「長生きをして90歳のときに自分の俳句が最高になるようにしたい」とおっしゃる平石さん。

まことにあっぱれな心がけです。

きっとそうなりますね!
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by fragie777 | 2014-09-15 18:47 | Comments(0)


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