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8月22日(金)
![]() 今日これから紹介する新刊への敬意をこめて。 やはりとうとう冷蔵庫が危機的な状況となってしまった。 この残暑の厳しさである。 もし息絶えてしまったら、中身はすべてダメになってしまうだろう。 ということで、冷蔵庫を購入することにした。 思わぬ出費となってしまったが、しかたがない。 来週のはじめに新品がくる。 それまでに何とかいまの冷蔵庫にがんばって欲しい。 今朝、冷蔵庫に手をふれてわたしの丹田パワーをすこし分けてあげた。 (わたしの丹田の力ってなかなかすごいんだ) 新刊を紹介したい。 岩田由美著『綾子の一句』(あやこのいっく)。「365日入門シリーズ」の一環として刊行。9冊目となる。 2013年の1月1日から12月31日までふらんす堂のホームページに毎日連載されたものを一冊にしたものである。細見綾子のものは、現在のところふらん堂文庫の細見綾子精選句集『手織』(石田郷子編)以外ではなかなか読み難くなっている。こちらは岩田由美さんの鑑賞つきでもあるので、はじめて細見綾子の作品に触れる人でも親しみやすく読める一冊である。 細見綾子の代表作ももちろんとりあげられており、わたしなどこの本によってあらためて知った作品もある。 細見綾子精選句集『手織』(石田郷子編)とあわせて読むのもより深くて広い綾子理解へとつながっていくと思う。 すこし内容を紹介しておきたい。 鶏頭を三尺離れもの思ふ (9月29日) 三尺は九十センチ強。近いような遠いような距離だ。すみずみまでよく見えるが、手を伸ばしても届かない。触れる気はないのだ。鶏頭の燃えるような色と独特の量感を意識しながら、もの思いにふける。慰められたいわけではない。ある距離を保ちながら、近くある鶏頭にどこか親しみを感じている。季語=鶏頭(秋) 見得るだけの鶏頭の紅うべなへり (9月30日) 真っ赤な鶏頭がいちめんに咲いていたのだろうか。見られるだけ見てその紅さを堪能した。見尽くして、紅さこそが鶏頭の本質であり、鶏頭はこうでなくては、と納得したのだろう。満足感がある。鶏頭を詠むのではなく、自分の心を詠む。季語=鶏頭(秋) 「鶏頭」の句をふたつ紹介した。最初の句は有名句である。鶏頭を見るとかならずと言ってよいほど口をついてくる一句だ。二句目はあらためて知った句だ。やはりなかなか誰でも詠めるような句ではない。 この本のおもしろさのひとつは、こうして同じ季題のものが紹介され鑑賞されていることだ。 「曼珠沙華」の句などは四句ある。おなじ季題をさまざまな角度から詠んだ作品を知ることで細見綾子の俳句というものが見えてくる。まったく違った詠まれ方であってもやはりそこには歴然と細見綾子がいる。 巻末にある岩田由美さんの細見綾子論は、この一冊のために書き下ろされたものである。 タイトルは「心のままに詠んだ人」。 自ら信じること、感じることをそのままに句に詠む。細見綾子といえばそんな印象がある という書き出しではじまる解説であるが、わたしは細見綾子とはまさにそのような人だと思った。 大胆に平明なことばをつかって思い切りよく詠む。気持ちのよいほど自在だ。そしてその俳句はいつも彼女の暮らしに添ったものなのだ。 そして親しい表情をみせながらも、知的なものが貫かれている。 この一冊は、細見綾子という俳人の魅力をあらためて十分に気づかせてくれる。 わたしは好きな女性俳人のひとりである。 7月8日の京都新聞に河津聖恵さんによって、塩崎緑詩集『魚がきている』が紹介されている。 塩崎緑詩集『魚がきている』(ふらんす堂)は、言葉の繊細な指先で世界の静けさや沈黙に触れる。世界は言葉によってかすかな振動を与えられ、美しさを増しつつ何かを問いかけ始める。死者の声の気配がする。ふと見上げる読み手の「水」も、透明度を取り戻していく。 蒲公英は羽を持つ種子を手放し 今も残る黒いゲートを行き来する 丈の高い木々はつづき 長いゲートまでの砂利道を絵画のように見せている 雲雀はいつまでもうたう 抗わぬ民族たちはしずかにここに居る 独逸語がまだ死者たちを眠らせない ARBEIT MACHT FREI 働けば自由になれる すべてのゲートから離れたところに おびただしい数の蒲公英が花をつける 陽の色をして ふかい火の色をして (「ほろんでいるもの」より) 今日はこれでブログはおしまい。 家に帰ってから冷蔵庫に顔をつっこんで、夕飯の支度をするつもり。 あるものをできるだけ使って、 冷蔵庫を身軽にしておかなくっちゃ。 いろんなものが詰め込まれているのよ。 人を招いて宴会をしたいとこだけど、ダメ。 いま夢中になっているドラマがあってさ、 たぶんそれに釘付け状態になるはず。 それではみなさま、 よき休日を。 わたしは冷蔵庫をいたわりつつ、別れを惜しみつつ 休日を過ごすつもり。 たまには皆さまも冷蔵庫へのこころからの感謝をおわすれなく。 では、では。
by fragie777
| 2014-08-22 19:10
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