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7月17日(木)
こんなきれいな水のほとりを歩いていたのだった。 ブログを書くのがすっかり遅くなってしまった。 もうすぐ真夜中の12時になってしまうのだけど、わたしはまだ仕事場である。 ずっと仕事場にいたわけじゃあないんだけど、ちょっと出かけ楽しい時間をすごしていたんだけど、ブログを書いていないことを思い出して戻ってきたの。 仕事熱心でしょ。 ちょっと紹興酒を飲んだりしたもんで、ヘンな日本語をつかったりしちゃうかもしれないけどお許しくださいませ。 (そんなことは今にはじまったことじゃないって、そ、そうよね) ええっと。 今日の讀賣新聞の長谷川櫂さんによる「四季」は、現代俳句文庫75『仁平勝句集』 より。 炎天の奥しづかなる火のありぬ 炎天の奥に燃える火といえば太陽だが、ここはそうではなさそうだ。太陽よりさらに奥にある大いなる火を想像する。「しづかなる」が魅力的に使われているからだろう。宇宙の根源にあって宇宙を宇宙たらしめている火といえばいいか。 今日の「増殖する歳時記」は、三宅やよいさんによって、長岡裕一郎句集『花文字館』より。 やわらかくきっぷちぎられ水族館 無季の句だが水族館の醸し出す雰囲気が涼しげで句の雰囲気が夏を思わせる。炎天を逃れて薄暗い館内に入ると明るい水槽では魚たちが自在に泳ぎ回っている。この頃は深さによって棲み分ける魚たちの生態も見られるように数十メーターの高さのある大きな水槽が設置された水族館も多く、水族館での楽しみ方も増えた。動物園や映画館など入口でちぎって渡される半券はどこも柔らかいように思うが、ひらがなの表記に続けて接続する「水族館」の「水」の効果で手の内で湿る半券のやわらかな感触が伝わってくる。人それぞれの思い出の中に水族館はあるだろうが、掲句を読んで、私は幼い頃よく行った須磨水族館を思った。窓の外には須磨の浜が広がっていた。今も海水浴客でにぎわっているだろうか。『花文字館』(2008)所収。 そして今日の船団ホームページは、坪内稔典さんによって、『桂信子文集』が紹介されている。(じつは昨日から紹介していただいていたのである) 蟇大きな月がうしろより 『桂信子文集』(ふらんす堂)から。以下はこの句にふれた信子のエッセー。「母の生家では、蚕を飼っていたので、夏の夕方になると、きまって大きな蟇がのそりのそりと縁側に近よってきた。そしてある一定のところへ来ると、縁側に向かって、金輪際ここから動かないといったように、ぴたりと腰をおちつける。捨蚕(すてご)を待っているのだ。」かつて多くの家に<わが家の蟇>がいたが、養蚕農家においては蚕が蟇の餌だった。芭蕉の「奥の細道」には「這出(はいいで)よ飼ひ屋が下の蟇の声」があるが、「飼ひ屋」は養蚕小屋、この句の蟇も捨蚕を食べていたのだろう。 今日はお客さまがひとりお見えになった。 鴇田智哉さん。 句稿をもって句集のご相談にいらしたのだ。 2005年に第一句集『こゑふたつ』を刊行してより、今年で9年になる。 「もうそんなに経ったのですねえ」とわたしは月日の経つ早さを思った。 どのような句集にしたいか、ご本人にはきっちりとしたイメージがある。 そのおおよその草案をうかがっておすすめすることになる。 担当はPさん。 わたし個人としては、ものすごく楽しみにしていた第二句集である。 「髪長くなりましたねえ!」と申し上げたら、 「おかしいですか?」と鴇田さん。 いいえ、なかなか素敵です。 もの静かな人であるが、むかしの文士のようなたたずまいを感じさせる雰囲気のある俳人だ。
by fragie777
| 2014-07-17 23:46
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Comments(2)
★炎天の奥しづかなる火のありぬ
<炎天の奥に燃える火といえば太陽。だが、ここはでは、太陽よりさらに奥にある大いなる火を想像する。「しづかなる」が魅力的に使われているからだろう。宇宙の根源にあって宇宙を宇宙たらしめている火といえばいいか。> なるほど、そんな風によむんですね〜。「なんとなく〜」までは行くんですけど、御文のようにまではなかなか言葉にならない。勉強になります。 ありがとうございました。
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fragie777 at 2014-07-18 16:23
川岡さま
こめんとをありがとうございました。 この御文は、讀賣新聞にご紹介くださった長谷川櫂さんの文章です。 わたしは引用して紹介させていただきました。 どうぞよろしくご了承くださいませ。 (yamaoka)
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