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12月25日(水)クリスマス
![]() ふらんす堂の営業は明日までであり、仕事はじめは来年の6日からである。 しかも今日は支払日。 すでにお正月の準備にむけて賑わっている商店街を行ったり来たりして銀行から銀行へと飛びまわることとなったのである。 なんとか2013年も取引先に迷惑をかけることなくなんとか無事に越せそうだ。 まずはそれに感謝である。 来客の多い一日となった。 いまお進めしている「鷹歳時記」の担当の「鷹」の加藤静夫さんが、最終原稿を持って来社。もう何度もご来社いただき、来年の7月刊行に向けて編集作業に取り組んでくださっているのだ。銀行回りを終えたわたしがふらんす堂への階段をあがろうとした時にちょうど打ち合わせの終った加藤さんに出くわした。お目にかかれないと思っていたのだが、少しでもご挨拶ができたことが良かった。 ほかにもデータベース作業をお願いしている榎本梨香さん、こちらはじっくりとスタッフの緑さんとPさんとで打合せ。角川メディアハウスの野口理恵さんがご挨拶に立ち寄ってくださった。 今日はこれから友人の家でクリスマス会があり呼ばれている。 そこの家は旦那がアメリカ人ということもあって、でっかい樅の木をかざり必ず七面鳥を焼く。それをアメリカ人である家長のビルさんがうやうやしく切り分けるのである。 七面鳥のお腹には甘い詰め物がしてあって、それを七面鳥と一緒にグランベリーソースをかけていただくのである。ほかにはマッシュポテトやら、サラダやらを盛り付けて美味しいワインとともに食す。ああ、よだれが出てきそう。 早くこのブログを書きあげて行かなくっちゃ。 新刊紹介をします。 滝沢和枝詩集『苦いチョコレート』。 ![]() 前詩集『狐の顔』に次ぐものである。著者の滝沢和枝さんは、名古屋市在住、地元の詩人たちと交流をしながら詩を書きつづけてきた方だ。40歳になってから詩を書きはじめたということだ。「苦いチョコレート」というタイトルが象徴しているように、すでにジンセイの多くの時間を過ごしてきた滝沢さんには、ジンセイというものがそう甘くないことを熟知している。それはこの詩集をよめば、口のなかにいささかの苦さが残ろうというものだ。滝沢さんは、だけど、あまりしゃかりきにはならない。どこかジンセイにたいして間(ま)を持っている。だから、等身大のいや人間を翻弄してしまうような羊や亀やオウムや金魚などが登場する。彼らまたは彼女らは人間の人格を凌駕するような得体の知れ無さがあり、しかしどこまでもノンシャランとしている。不思議な存在だ。 そんな詩をひとつ紹介したい。 ヨセミテ 金魚が水槽のガラスにぴったりはり付いて 口をぱくぱくしている「ぶよぶよ太ってるっ て 思ってるんでしょ」と言う「お食事の度 におこぼれ おやつの度におこぼれ 太るの は当然です あなたも最近私に似てきました よ」 とまあ こんなわけで金魚をつれて旅に出る ことになった じめじめしたところは金輪際 ごめんだという 緑があって 暑くなくて 鳥がいて 花が咲いていて と金魚の勝手気 ままな条件を検索し 行き先はアメリカのヨ セミテ国立公園となった ゴールドフィッシュ マイペット おおげさ に肩をすくめたアメリカの入国審査官にペッ トの名前はと聞かれて デブと答えた 目的 は観光 行き先はヨセミテ これで入国でき た 巨大なベルトコンベアのように道路を流 れていく車に向かって ヨセミテといくら叫 んでも 車は止まらない 金魚がやおら立ち 上がり ヨセミテ音頭でいきましょうとしっ ぽを振りながら言った ヨセミテ ヨセミテ 草木もなびく ふたりで踊った すぐに車が止まり乗せても らい 降ろされたところでまた踊った 冬の閉鎖となる前にたどり着いたヨセミテ 入園料を払うと 透明で清らかな空気に包ま れたバリアの中に招かれた とてつもなく大 きな公園だ 巨大な氷河が何億年もかかって 深い谷をつくり 花崗岩を削って白い山々を つくった メタセコイアの森の奥には今も恐 竜が棲んでいるという テント村で金魚と一緒に泊まる 食堂 トイ レ 共同シャワー 清潔で合理的 これがア メリカだと二人で感激する 白い岩山が夕日 に染まり始めるとメタセコイアの森も静まり やがて岩肌が真っ赤に燃える 草も鳥もす べての生き物が地にひれ伏した 饒舌な金魚 がめずらしく何も言わず すぐ後におとずれ た暗闇の中でじっと動かずにいた 翌日公園を巡回するバスに乗り 山の頂上近 くでトイレ休憩をした 用をたそうと部屋に 入り 床に金魚鉢を置いた 「グッドバイです」バシャッと水音をたて て金魚が便器の中に飛び込んだ 底のない便 器だった 白い岩の裂け目をつるーと落ちて いく 最後は小さな赤い点になって消えて いった 私は便器にまたがっておしっこをする 太っ た体を絞ったのに おしっこは岩肌の間を少 し彷徨って ヨセミテの地面に届くこともな く霧散した この詩集の担当は高橋千絵さん。 高橋さんの好きだという詩をひとつ紹介したい。 どんなマフラー 遺失物係の窓口の向こうで 定年がもうそのへんまで来ている顔の おじさんが聞き返してきた 「どんなマフラーだね?」 貰ったものでもない 盗んでもいない どこかで買ったことは確か 出歩くときは必ず首に巻いていて 言いよどんでいる私からそらした おじさんの目は バスの時刻表を読んでいる 外はいつも風が吹いている マフラーにすっぽりとくるまって 自分の吐いた息をまた吸い込んでいた 「ぞうきん みたいな」 言ってしまってから唖然としている私に おじさんはついと立ち上がり 後ろの棚のたくさんの忘れ物の中から まぎれもない私のマフラーを ひっぱり出してきた この詩集の装丁は前回の詩集とおなじく君嶋真理子さん。 紫と銀色とのシックな詩集となった。 ![]() ![]() 帯のデザインもこんな風に凝っている。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 帯の紫がかった臙脂色がなんともいい。実はこの用紙が在庫がなく仕上がるまで半月くらいかかると言われたのだった。しかしこれにとって代るものがない。著者の滝沢さんに了解していただき、用紙の製造を待ってめでたく巻かれた帯である。 しっとりとした風合いのもの。 素敵でしょ。 わたし、チョコ好きなのであるけど、まったく甘いだけではなくてやはりちょっぴり苦いチョコが好きかな。 ただ甘いだけでは物足らなくなってきたのよ。 ふふふっ、どうしてかなあ……。 さっ、 今日はこれで終り。 七面鳥めがけてまっしぐら、だ。
by fragie777
| 2013-12-25 19:30
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