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12月8日(日)
であるが、あまりの賑やかさに鯉の姿がよく見えない。 なんとも彩り豊かであることよ。 ある小さなレストランでランチを食べていた今日のこと。 ここは有機野菜が売り物で女性に人気のあるレストランだ。 わたしは一人なのでカウンター席にすわってランチを食べていた。 椅子ひとつ置いたとなりに若い女性が坐るのが分った。 あえてそちらを向いたわけでなないのだが、話し声が聞こえるので二人連れらしい。 なにか小さな声でぼそぼそと語る声がするが別に気にもとめずに、しばらくお隣のことは忘れてランチを楽しんだ。 しばらくして、ふっと横をみると、その女性には連れがなくひとりだということがわかった。そしてなんと、ずっと携帯電話で話をしていたのだ。 喋り声が聞こえたのはそのためだった。 しかも、いまもなお右手のフォークで食べ物を口に運び、左手はずっと携帯を耳にあてている。 肘をテーブルについて、まあ、結構な姿勢である。 (いったいいつまで電話をしつづけるのかしら……) わたしはちょっと興味を持った。 何を話しているかと聞き耳をたてると、どうやらラーメンの巧い店の話だったり、どこのスパがいいとか聞こえてくるかぎりの内容はえらい取りとめのない話である。 男友達か女友達かわからないが、エステの話などもしているし、このだらだら感は仲良しの女友達とわたしはふんだ。 それで、 である。 わたしと同じものを頼んだ彼女は、ランチの間中携帯ではなしつづけ、ランチが終わるとさっと立ち上がった。 (おお、とうとう携帯を切ったか。)と見るといやいや、携帯は耳にあてたままの格好だ。 そしてしゃべりつづけながら、もう一方の手に伝票をヒラヒラさせながら、レジに向かった。 (すげえなあ……)その傍若無人ぶりにわたしはおもわず感嘆してしまった。 きっと携帯を耳にあてたままお財布をとりだしお金をはらったであろうことは間違いない。 その後も喋り続けながら立ち去ったであろう。 いったいいつから彼女は携帯で話し始め、いつ終りにするのか。 尾行していつ彼女が携帯電話を切るか、切ったあとの表情など観察したかったのであるが、わたしにも予定があるため断念した。 わたしが見た今日の風景は、あるいはいまどき珍しいことではないのかもしれない。 話し相手の友人ももひょっとすると別のところでランチをしていたり…… ありえるな…… yamaokaおばさんはけっこう驚いちゃったのである。 彼女にとって周りの人間は無きがごときだった。 存在しているのは話している相手のみだ。 わたしと彼女の間にはただただ断絶の見えない壁があるのみだった。 もちろんわたしは彼女とかかわりを持とうなんて金輪際考えていなかったが、 それにしてもどこか殺伐と淋しい感じがする。 しかし、こんなわたしの感情などはどこかに置き去りにされて、 人間の風景はこうやってすこしずつ変わっていくのかもしれない。 置き去りにされたわたしの感情は、やがて海を渡りニュージーランドのティリティリマタンギ島の絶滅危惧種に加えられ、ひそかに生息しつづけることを祈るのみだ。
by fragie777
| 2013-12-08 22:30
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