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6月20日(木)
![]() どう時間を間違えたか、今日はミーティングに遅刻をしてしまった。 仕事場への出勤途中、昼食のパンを買おうとパン屋さんに向かっているとき、Iphone が鳴った。電話かと思ってみると、ミーティングとの表示がある。(あら、まあ、そんな時間)とおどろく一方ですぐに仕事場に遅れる旨の電話を入れる。 それから昼食のための照り焼きチキンサンドとエンドウ豆のパンとヨーグルトを買った。 だけどどこで時間の感覚を間違えたんだろう、楽勝と思っていたのに。 今日は句集を一本校了にし、ブックデザインの依頼を装丁者にし、ゲラを校正者に送り、装丁の色校正を著者に送り、進行中のゲラを読み、帯の原稿を一本作った。 この帯の原稿は近々刊行される予定の岸本尚毅著「高濱虚子の100句」のものだ。 この一書は、実作者の立場から虚子の句を徹底的に解明し、怪物のような虚子という大きな存在に迫ろうというものだ。虚子の俳句をどういう視点から読むか、そのことを明確にした上でのものなので面白い。何よりも岸本尚毅という俳人が虚子の何に魅了されているか、そのことが明らかにされていくことが興味深い。岸本尚毅の尋常でない虚子へのこだわりの一端が見えてくる。それもわたしには面白いのだ。岸本さんって虚子が好きで好きでたまらないんじゃないかって思う。 なおも思うのは、この一冊は虚子理解への大いなる第一歩であるも、さらにさらに展開があることを予測させる一書であることだ。 新書版の大きさで『虚子選ホトトギス雑詠選集100句鑑賞』に連なる一冊となる。 実作者必読の一書としたい。 編集作業をするかたわら、触媒としてのエディターシップということを時々考えた一日だった。 かつて読み、最近読み直したある本に書かれていたもので、ふたたび私の心に蘇った。 今日の「増殖する歳時記」は、三宅やよいさんによって小林苑を句集『点る』より。 青梅雨や部屋がまるごと正露丸 ラッパのマークの正露丸。お腹が痛いときのみならず虫歯にも効くという万能薬。その昔、フンコロガシの糞のような正露丸や黄色っぽい肝油を顔をしかめて飲んだものだ。あの独特のにおいと味。漢方薬を飲み慣れた人はなんとも思わないかもしれないが、小学生の私には嫌な薬だった。梅雨時のじめじめした部屋が「まるごと」正露丸!まるで部屋の中にいる自分も正露丸の中に丸め込まれたみたい。じめじめと毎日降り続く雨に悩まされているとき、陰気臭くてやだなあ。と愚痴をこぼす代わりに「部屋が丸ごと正露丸」と呟けば漫画チックな図が想像されてクスッと笑えそう。『点る』(2010)所収。 わが家の「正露丸」は、戸棚の奥にひっそりとしまいこまれて、最近はとんと出番がなくなった。 それこそ今の季節、正露丸の瓶の蓋をとって部屋に置けば部屋中の湿気を吸い取って正露丸の匂いで満たしてくれそうだ。黴と闘って正露丸の勝利っていうことにもなりそう。この句を読んでふとそんな気持ちになった。
by fragie777
| 2013-06-20 19:24
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