カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
画像一覧
|
2月28日(木) 草木萌動(そうもくきざしうごく)
2月の最後の日である。 そしてお給料日である。 わたしが貰うのではなく、スタッフたちに渡す日である。 今日はあたたかな一日となった。 銀行へ行くにもどこに行くにも外套なしでも大丈夫なあたたかさだ。 商店街をとおりぬけて広場をぬけて、ああ、身体があたたかさを喜んでいる。 「風光る」という季語があるが、今日は見えない風が光っているのを感じた。 そうしてお給料はスタッフたちに無事に手渡されたのだった。 春風に乗ってこんなプレゼントが届いた。 何? 蓋をあけると…… 美しい色彩が飛び込んでくる。 それぞれの小さな函を開けると…… 可愛いらしいものたちが飛び出した。 なんとまあ! フフフフッ……いいな。 で、 いったい、これは何? これはね、 実は紙見本なのね。 「竹尾」という紙メーカーから送られてきた紙のデモンストレーションなのである。 こういう遊び心は大好き。 用紙名はビオトープ。 わたしたちもよく知っている用紙で、ふらんす堂の本づくりには活躍してもらっているものだ。 このビオトープの赤と青は鮮やかでわたしは特に好きなもの。 「こんなこともできますよ」と、ふらんす堂へ竹尾さんから送られて来たのだった。 ふらんす堂はつつしんで遊び心ともどもいただきました。 今日の「増殖する歳時記」は、三宅やよいさんによって、山西雅子句集『沙鴎』』より。 大空にしら梅をはりつけてゆく 水戸の偕楽園では2月20日から「梅まつり」が始まる。梅の香に着実に近づいている春を感じることができることだろう。いつも散歩で通りかかる近所の家のしら梅も見ごろである。「白梅のあと紅梅の深空あり」の飯田龍太の句にあるごとく本来は白梅より紅梅の花期はやや遅いようだ。しら梅の姿そのものが早春の冷たさのようでもある。カンと張り切った青空に五弁の輪郭のくっきりとしたしら梅を見上げると「はりつける」という形容が実感として感じられる。それだけでなく一輪一輪ほころんでゆくしら梅を見つめての時間の経過が「ゆく」に込められており、日々しら梅を見つめ続ける作者の丁寧なまなざしが感じられる。毎年、青梅の吉野梅林を見にゆくのだけど今年はいつが見頃だろうか?楽しみだ。『沙鴎』(2009)所収。 「梅の花」からどういうわけか、今日は最初に飼った三毛猫の「梅」を思い出してしまった。 猫好きなおばあさまから貰ったものだが、そもそもは野良猫であったものをそのおばあさまが拾ったものだ。 貰われた当初から身体が弱く、しかし、猫の経験がなかった私たち家族はそういうものだと思っていたのだが、やはりそうではないらしく分かったときはエイズと白血病に犯されていたのだった。 元気になるようにおもいっきりおめでたい名前をつけようということで「梅吉(うめきち)」(雌なのでちょっと芸者さんみたいでいいでしょ)と名付け、「梅」と呼んでそれはもう可愛がった。 しかし、たった一年で逝ってしまった。 いま「梅」はわが家の庭の侘助の元で眠っている。 この「梅吉」という名前、実はわたしの父の名。 お父さんゴメン、 天国で「梅」を可愛がって。 同じ名前同士っていうことで。 今日のブログはこれでおしまい。 明日、新刊紹介をします。 って、こういう風に予告しておかないとさぼりそうだから…… すぐ易きにつくyamaokaなのである。 さあ、明日からは三月の顔だ。
by fragie777
| 2013-02-28 19:16
|
Comments(2)
|
ファン申請 |
||