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6月7日(火)
朝出社すると机の上にドカンと置かれているものがあった。 「何だろう?」 と送り主の名前を見ると、「君嶋真理子」とある。 (ああ、出来上がったんだ!!) とさっそく荷を解き、取り出してみたのがこれ。 見ればわかるようにふらんす堂の看板である。 君嶋さん手作りの世界でたった一つしかない看板だ。 「新しい仕事場が茶色と白が基調だったので、それに響き合うようにと思って……。」 と、美大の版画家を卒業した君嶋さんらしい看板となった。 (まさにわたしが思っていたものとぴったり…) 「白」と言ってもこの仕事場は下の木目が浮かぶように透明感のある白で本棚などが塗られている。その「白」を君嶋さんは写真で見ただけでキャッチして同じようにわざと「白」をベタ塗りしていないのだ。 すぐにドアーに掛けたいところであるが、掛けるフックがないのでやっぱり「島忠めぐり」をすることになった。 昼休みのこと。 「ちょっと島忠めぐりをして来るわね」って言うと、優明美さんが、 「『ちゅうブラですね!」って。 「ああ、もうそんな感じよね。毎日ブラって言ってなんかないかあって覗く。そんな感じ。じゃ、ちゅうブラしてくるわね」 ということで、「ちゅうブラ」をしてフックを買ってさっそく看板をドアーに掛けてみた。 これを帰るときはひっくり返して「CLOSED」にして、朝きたらふたたびこうやって表を見せる。むかしの喫茶店みたいでいいなあ……。 この看板をかけてからの最初のお客さまがいらした。 俳人のしなだしんさんである。 句稿をもって訪ねてくださったのだ。前句集『夜明』以降のおよそ三年間の作品を収録したものである。前句集を刊行後、がむしゃらに頑張って俳句をつくられたようである。 どこか茫洋とおっとりとしてらして「がむしゃら」とか「頑張る」とか言うことばが似合わないのだけれど、お話を伺っていると、俳句への思いは並々ならぬものがある。 「まだ納得できない作品もあって……」 と妥協を許さない志も伝わってくる。 「俳句の仲間がずいぶん増えました」 と、しなだしんさん。 ひと月にたくさんの句会に出て勉強しておられるようだ。 6月5日付の読売新聞の長谷川櫂さんによる「四季」は、矢島渚男精選句集『野菊のうた』より。 六月の太平洋と早起きす 早起きして海を見ているだけのこと。それを句のように海といっしょに早起きをしたというと、海と友だちであるような、元気ある句になる。梅雨時の六月の海には鬱然とした重量感がある。それは明るい五月の海にも七月の海にもない。 おなじ6月5日の毎日新聞の「新刊紹介」では、岩井善子句集『春炉』が紹介されている。 窓閉めに二階に上がる夕立かな 第1句集。「古志」入会以降18年間の作品をまとめた。日常生活の中から掬(すく)い上げられた作品に豊かな詩情がある。著者の繊細な感覚がしらべの美しさにも反映されている。
by fragie777
| 2011-06-07 18:56
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