カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
画像一覧
|
5月17日(火)
ふらんす堂の新しい仕事場も着々と工事がすすんでいる。 新しい仕事場について建築デザイナーの山口健太郎さんに希望したことが三つある。 〇明るく機能的な仕事場であること。 〇シンプルであること。 さてもうひとつは? 何だと思います? これはもう大袈裟に言っちゃえばわたしの人生観にかかわることになる、なんてね。 あなたはこれにもうひとつつけ加えるとしたら何を付け加えます? もちろん出版社であることのいろんな条件を充たした上でのことであるが。 (収納を多くとか、本棚は必須であるとか、簡単に会議ができるテーブルが欲しいとか……) わたしが山口氏にお願いしたことは、 遊び。 仕事場のどこかに「遊び」を入れてほしいということだった。 この「遊び」というのは、「意外性」ということに言いかえてもいい。 あるいは「面白さ」または「プラスアルファ」というのでもいい。 にっこりと笑って山口氏はふたつの「遊び」を提案してきた。 一つはトイレだ。 トイレが一個のボックスのように部屋の真ん中あたりにある。 そのトイレの外側をけっこう派手にしよう、ということになった。 茶と白とを基調とした部屋にとつぜんインパクトのあるトイレが出現する。 トイレをふらんす堂色のワイン色塗ってしまおうっていうのだ。 いいじゃん、面白いんじゃない。 しかしながら実際に色合わせをしてみるとワイン色というのはなかなか難しいらしい。 あげくにペンキ屋さんから提案されたのは、薄紫のような色だった。 ウーム…… 薄紫か…… どうもわたしのなかでしっくりこない…… この色と一緒に仕事をする気になれない。 いろんな色を頭ん中で再現させたあげくにワイン色とはまったく違った色が浮んできた。 それは、 黄色 である。 黄色と言ったっていろんな黄色がある。 ペンキ屋さんに色を調合してもらいながら見出した黄色だ。 どうだろう……。 吉と出るか凶と出るか…… ワクワクするようなコワサだ。 (ものの本によると部屋に黄色があるというのは精神的に落ち着くらしい……) シックな部屋にとつぜん黄色のトイレなんて悪くないんじゃないかなあ…… お客さまが「ちょっとトイレを」と言ったら「あの黄色い部屋です」って分かりやすいし…。 まあ、見に来て判断してやって下さいませ。 そしてもう一つの「遊び」は何か……。 これは秘密である。 是非にふらんす堂に足を踏み入れて、仕事場のどこに「遊び」があるのか、「遊び」探しをしてほしい。 「遊び心」がないと分かんないかもね…… 当たった人には、 金一封を、 ではなくてふらんす堂刊行のお好きな本を差し上げましょう。 お楽しみに……。 今日は石川県の金沢からはるばるお客さまがいらして下さった。 小谷延子さん。 句集のご相談に見えたのだった。 ご一緒して下さったのが、俳人の山崎祐子さん。山崎さんは仙川にある白百合女子大学で講師をされていて仙川には毎週お見えになると言うことである。また、かつて第28回俳人協会新人賞を句集『点睛』(角川書店刊)で受賞されている。この時に同時に受賞されたのがふらんす堂より句集『真咲』を刊行された辻美奈子さんだった。 山崎祐子さんのおすすめもあって小谷延子さんはふらんす堂での句集の刊行を決められたという。 嬉しいことである。 お二人でいろんな句集の見本をご覧になって相談されていたのだが、その中の一つの造本をとても気に入られて「これにします!」と即決されたらしい。 「ああ、これですね!」 わたしはその本をみて、出来上がりがとても楽しみになったのだった。 ご両親が福島にお住まいで地震後はご両親をご自宅にしばらく引き取られたと言う山崎祐子さん。お家はなんとかかろうじて無事であったということであるが、「これからがいろいろと大変です」とおっしゃっておられた。
by fragie777
| 2011-05-17 18:57
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||