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4月2日(土)
今日は吟行会の取材で、九品仏(くほんぶつ)の浄真寺まで行く。 ここは桜で有名であるが、今日はまさ咲き始めといった感があり、上品に桜が咲きはじめていた。 わたしにとっては初桜である。 咲きはじめの空気の引きしまった感じがいいなあ……。 桜の季節にたずねた浄真寺はいつも花の盛りで、なんかこう息苦しい感じがあったけれど、今日はわたしを脅かさない。 それが気に入った。 ほかに白木蓮、辛夷、山茱萸の花、樒の花、椿などなど春満載だった。 咲きはじめの桜の花であるはずなのに、ずいぶんと地面に散っている。 それも不思議な散り方である。 こんなふうに……。 桜の花の散り方じゃない。椿のように散っている。 原因はこのものたちである。 誰かが、「だるまインコ」と言っていたが……。 見上げた木にすでに三羽の鳥がいておおっぴらにひるむことなく盛んに花を食べており、食いちぎられた花がつぎつぎと落ちてくるのだった。 今日の吟行会は俳人の岸本尚毅さんが指導する会である。 俳句の上手な方たちがさらに切磋琢磨すべく吟行をする会である。 ふらんす堂のウエブサイトで「俳句実践講座」として紹介させていただいているのだ。 (すごく勉強になる、と言ってくださるファンも多い) 今日の岸本さんを見たときに驚いた。 だってマスクのほかに水中眼鏡のようなものをかけてやって来られたのだ。 (あっ、岸本さん、放射能よけ特別眼鏡をかけているのか……) とっさにそう思った。で、すぐに聞いたのだった。 「その眼鏡、どうなさったのですか?!」 「いやあ、花粉症がひどくって……」 (ああ、放射能除けじゃなかったんだ……)少し安心した。 (眼鏡をかけて除けられるものなのかどうなのか、とんと無知なんですけど……) あとで伺うとその眼鏡は水中眼鏡ではなくて、東急ハンズで売っていて作業用のたとえば木工作業などの眼鏡であって、花粉症には効果があるらしい。 でも、わたしだったらかける勇気がないかもしれないな……。 こういうところも飄々としてこういう眼鏡をかけてしまうところがやっぱり凡人とは違うものを岸本さんに感じてしまった。 今日のねんてんの今日の一句は、『金子兜太×池田澄子 兜太百句を読む。』よりとして、兜太さんの一句が紹介されている。有名な句である。 湾曲し火傷し爆心地のマラソン 連日、新聞に東北の被災地地図が出ている。青森、岩手、宮城、茨木、千葉の太平洋側の地図だが、それを見ていて兜太のこの句を連想した。東北地方は海に圧されて激しく湾曲している感じなのだ。しかも今、そこには原子炉がある。 と坪内稔典さん。 この『金子兜太×池田澄子 兜太百句を読む。』は、まだ刊行したばかりであるが、「読みやすい」と評判がいいようだ。 もう書店に出回りはじめていると思う。 お二人の呼吸がよく合っていてテンポよく会話が展開されていく。 しかし、この対談集のために池田澄子さんがどれほど準備を重ねられたか、 一冊となって読み直したときに改めてそう思ったのだった。
by fragie777
| 2011-04-02 21:10
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