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4月1日(金)
ふらんす堂で句集を刊行した方のおひとりに小笠原弘子さんという俳人がいる。 昨年の11月に句集『約束』を刊行された。この方は宮城県東松島にお住まいでそこは今回の地震でまさに津波に襲われたところである。消息について心配しスタッフがインターネットで調べたところ、 「二階にいて津浪に流されたが、助かった」 という情報を得ることができたのだ。そしてわたしたちはホッと安心したのだった。 小笠原さんは、俳誌「小熊座」に所属し、「小熊座」主宰の高野ムツオさんについても消息の問い合わせを貰っていた。わたしたちも真っ先にその安否を思った方だ。やはりインターネット上でお元気であることを知ったのだった。 この度の震災においてもご縁のある方がずいぶん被災されている。 私たちも何かできないだろうか…… そのことを今日は話しあったのだ。 そして、 自費出版及びオンラインショップ等の書籍の売り上げの一部を東日本大震災義援金として寄付いたします。 ということを皆で決めたのである。 小さな版元のやることであるからささやかな応援であるかもしれないが、少しでも応援したいと思っている。 さっそくスタッフがどういうかたちでやるのが一番いいかを調べ、yamaokaの下手くそな直筆があった方がよいといい、無理やりに字も書かされた。 (見ると不格好で居心地わるそうなナマの自分がそこにいる。なんだか恥ずかしくて嫌なんだけど……) 「今日はネギちゃんが来る……」と朝からPさんは落ち着かない。 今日の午後は二人のお客さまを迎える予定だ。 根岸敏三・操さんご夫婦である。 お二人でそろって20年以上俳句を作り続けて来られたのだ。 わたしもスタッフのPさんも奥さまの操さんのことをよく知っていて、今日はちょっとドキドキそわそわしていたのだ。 もう20年ぶりくらいになるのかしら。 スタッフのPさんが小学生のときに通っていた学童保育のセンセイなのだ。 「ネギちゃん」とセンセイのことを学童の子どもたちは呼んでいて、その「ネギちゃん」にとても可愛がってもらったのである。 「あらあまあ、女らしくなったわねえ……」とPさんを眩しそうに見て、「ネギちゃん」は言った。 あの頃と変わらない優しい眼差しの「ネギちゃん」先生だ。 「yamaokaさんは、何にもしないお母さんでしたねえ……。」とわたしは笑いながらそう言われてしまい、すでにこの頃から母親失格の人間であったということを再び思い出したのだった。 (そう、けっこういい加減な親だったよなあ……ネギちゃんによると、母親というよりも姉さんみたいにふるまっていたらしい。) 今日はご主人の敏三氏と一緒につくってきた俳句を一冊にすべく相談にみえたのだった。 お二人とも、俳誌「道標」と「かまつか」に所属し、現代俳句協会の会員である。 「ふらんす堂が頑張っていることを知ってました。句集をつくるときはふらんす堂で……」 とずっと思って来て下さったらしい。 そういうお気持ちがとても嬉しい。 句集の話よりもついつい昔話に花が咲いて、それはもうあっという間に時間が過ぎていってしまったのだった。 三鷹にお住まいのお二人は自転車に乗って春風のなかを帰って行かれたのだった。
by fragie777
| 2011-04-01 20:08
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Comments(3)
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根岸 操
at 2011-04-03 23:45
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わぁ〰!ありがとうございます。さっそくブログに載せてくださいましたのね。夫も感激していました。スタッフの有以子さん、すっかりスタッフの有以子さんでした。昔のウイちゃんじゃなかったよ。お母さんと同じ働く女性でした。とっても嬉しかったです、ネギちゃんは。
また、社長であるお母さんは、昔より若くなったというか、すごく輝いていて素敵でした。私が出会った20年以上前は子育てをしながら女が働くことは環境上大変困難が伴いました。私が学童保育という仕事をライフワークとしてきたのは、女も男と同等に働き続けられるよう支えていきたいと思ったからです。毎日を安全に、「楽しかったよ!」と家にお帰りできるがくどう。ちょうど有以子ちゃんやお兄さんの遊君と過ごしたころから俳句をはじめて20年も!経ってしまった。二人の息子が独立した今、これからが勉強です。 ふらんす堂とのかかわりも学童保育の保護者と保育士という素敵な出会いから。自分にとっての句集、夫と一緒に作る句集、よろしくお願いします。
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fragie777 at 2011-04-04 14:14
根岸先生ご夫妻へ。
先日は有り難うございました。 よもや、このような日が来るとは、学童で子どもがお世話になっているときは思いもしませんでした。 ここまでの月日がいとおしいですね。 有以子はまだまだ駆け出しですが、これからいろんな方に出会って学んで行くことになるでしょう。 このふたたびのご縁を機会にどうぞこれからもよろしくお願い申し上げます。 句稿をいただける日を楽しみにしております。 (yamaoka)
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根岸 操
at 2011-04-04 17:09
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自分たちで出した「宿題」句集作り、句稿は夏休み終わるころまでに頑張ります。二人ともやることいっぱいあって、私は6月にコーラスのコンサートを控えアルトパートを覚えるのに四苦八苦しています。1日24時間では足りないですね。
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