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12月6日(月)
夕方の5時ころに近くの不動産屋さんに出かけた。仕事場の更新のためである。 もうすでに夜の気配が濃厚なのだが、このところこの時刻にはあまり出歩かなかったのでちょっと驚いた。何に驚いたかと言うと、人の多さである。商店街は買い物客だけでなくちょうど近くの学校の下校時にあたり、元気な女学生たちがかたまってやってくるのだ。ほんの5分くらいだったけれど人を避けながら歩くので精いっぱいだった。 いまこのブログを書いている横でスタッフのPさんがいろいろと話かけてくる。 ので、なかなかこのブログに集中できないでいる。 もうこれ以上ちょっと話かけないでよ。 今日の「増殖する歳時記」は、八田木枯句集『鏡騒』(かがみざい)より。 老人のかたちになつて水洟かむ 身に沁みるなあ。若い読者からすれば「それがどうしたの」くらいの感想しか浮かばないかもしれない。しかし、老いを自覚した人間にとっては、はっとさせられるような句なのだ。 と清水哲男さん。「老人のかたちで洟をかむ」というのはどういうものかって言われるとその輪郭を客観的に説明するのは難しいような気がするけど、これは内側から自身の洟を噛んでいる姿を想像しながらきっと「老人のかたち」であろうと思ったのだと思う。この内側からの自覚をしてしまったときに「老人」であることの認識がはじまるのだ。 「そういえば…」と、生活のさまざまな場面での老いの「かたち」に気づいていくことになる。最初のうちこそなにがしかの悲哀感も伴うけれど、だんだんその「かたち」を受容し、是認していく。このときに自分はまったき老人になったわけで、若い頃とは異なる所作にもどこか苦笑いのような感情とともに対応できてゆく。 と書く清水さんは書くが、「まったき老人」ということばがいい。 わたしも「まったき老人」を今から目指したいなあ……。 ちょっと前になるが、「週刊俳句」で、上田信治さんが彌榮浩樹句集『鶏』について丁寧に論じている。ふらんす堂のオンラインショップの彌榮浩樹句集『鶏』にリンクがはってあるので是非読んでいただきたい。 その「週刊俳句」で、いま岸本尚毅さんへのインタヴュー記事が「感覚」から「観念」へと題して掲載されている。聞き手は上田信治さんと生駒大祐さん。今回は第1回で第2回もあるらしい。岸本尚毅という不気味な(とわたしは思っている)俳人を理解するのにおおいに手掛かりになる面白いインタビューだ。
by fragie777
| 2010-12-06 19:38
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