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11月18日(木)
![]() 宿題がたまっているのでさっそく新刊紹介をします。 えっ、昨日のインドカレーはどうだったかって? そりゃあ、もちろんおいしかった!。 三種類のナンに、チキンカレー、魚のカレー、ほうれん草とチーズのカレー、野菜のカレー、それにタンドリーチキンとシシカバブ、どれも申し分なく美味でわたしたちはたらふく食べたのでした。 途中で口琴の演奏もありました.……。フフフフフ……。 おお、新刊紹介をいたさねばなりません。 新刊句集は西上禎子句集『白魚』。 ページを開いて句を読み始めると、 春雪に別れはいはず別れけり 秋鯖や妻に造反なきにしも しあわせに慊らずして胡桃割る らしくなき女と生まれ大根漬く などとあり、ちょっとドキドキしてくる。 背信の一節ありて日記果つ 「日記果つ」でひやあーっと……。スリリングな編集となっていて思わず読みこんでしまう。 しかし、この句集の最終章には、 病む夫に添ひ生き抜かん初日記 とある。「春雪」から「初日記」までおよそ40年以上の歳月が流れている。まるで女の一生を見るような思いだ。 西上禎子さんは、俳誌「山茶花」に所属し、下村斐文、石倉啓輔、三村純也と3代にわたる師をもつ。この度の句集には、三村純也現主宰が序文を寄せている。 芥子散つてなにごともなき妻の昼 お日様に貰はれてゆくしやぼん玉 何の日といはず何かと豆ごはん 金婚にして同衾の朝寝かな 住みながら売りに出す家露けしや けふ風のすこしひややか杜若 添ひ遂ぐるうやすらぎにあり団扇風 淡々と写生してゆくという姿勢には、何のゆるぎもない。その時々の季題に、自分の心情を託し得ているところはさすがである。作者のほうから、その時の気持を託し得る季題を探したと言うよりも、おのずと季題のほうが作者のほうへ飛び込んできたというような印象を受ける。それほど自然体なのである。 改めて思うのは、禎子さんは俳句が巧いというよりも(もちろん巧いのだが)、俳句を完全なまでに、自己表現の場となし得ているということである。黙々と作り続けて来た姿勢とその精神力は、花鳥諷詠には忘れてはならない要諦なのである。 序文の一節である。どの句も「さりげないところを、さらりと詠んだよさ」があり、「平凡なのではない。平明にして深みのある句」であるとも序文にある。 桔梗のふくらみ解けるまでが好き 喰はれつつ蟷螂の尾の脈搏てる 葉桜の池どちらから廻らうか 山われに一歩踏み出て笑ひけり 夜更しの灯影を蜘蛛のよぎりけり 幸せな暮らしの日々を過ごしていた西上さんに、夫の病という試練が襲う。 夫がもし病に倒れていなければ、まだまだ呑気に振舞いつづける私であったろう。認知症の上に胃を全摘した夫の、すさまじい生命力を目のあたりにし、さしもの怠け者の私も、俄然命なるものに目ざめ、一念発起に及んだと言えようか。ここからは、残された夫の命に寄り添い、今を大事に生きるべく…… 「あとがき」の言葉である。感慨深いものがある。 西上禎子さんは、「白魚」がお好きらしく本句集にもたくさんの「白魚」の作品がある。なかでも、 白魚といふ言葉さへ透きとほり これはかつて、後藤夜半、阿波野青畝の特選となった句であるという。その輝かしい思い出の一句をこの度の句集名とされたのだった。 今日の讀賣新聞の長谷川櫂さんによる「四季」は、彌榮浩樹句集『鶏』より。 山枯れて暴れ馬めく洗濯機 わが家の洗濯機も十年以上たった古兵。しばしばこの句のようにガタガタと大騒ぎになる。暴れ馬といわれればたしかにそのとおり。ときには悶絶するかのようにバタンと倒れることもある。静かに回る最新の洗濯機よりはるかに人間的。 洗濯機についてはいったい誰がその存在が無視できようぞ。 わたしなど毎日ご機嫌をうかがう日々だ。およそそのご機嫌たるや予測がつかない。あきれ果てるほどである。コンピュタ制御の最新式という触れ込みでやってきたのだが、ひとたびご機嫌をそこねると家じゅうがひっくりかえるほどの大音響をとどろかせ、手がつけられないようになってしまう。思わず必死に抱きかかえて身体ごと震わせながらなだめると言う始末。最新式とはいったい……。 そして、ようやく最近になって分かったのだ。その生産の過程でコンピュタシステムのなかに「暴れ馬のスピリット」が埋め込まれるのだということが……。 ヤレヤレである。 今日はお客さまがひとり見えられた。 大橋愛子さん。俳誌「藍」(花谷和子主宰)に所属されていてはじめての句集を刊行されるという。 いろいろな見本をご覧になり、ちょっと迷われている様子である。 ![]() 「仙川は初めてなんですけど、ずいぶんとお店があって楽しそうな町ですね。驚きました」 と大橋さん。
by fragie777
| 2010-11-18 20:37
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