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8月19日(木)
唐招提寺の境内を歩いていたら炎天下を亀が歩いている。 亀が向かう先は袋小路になっていて池などは何もない。このまま歩きつづけたら日干しになってしまうはずだ。いったいどうして亀はこんなところを歩いているのか? 「大きなお世話だったらゴメン」と言って同行者が亀を抱えあげた。 そして、こんな風に蓮池のそばに置いてみた。これはその亀のうしろ姿。 子供たちがやって来て、「亀だ、亀だ」と嬉しそうにはしゃいでいる。 わたしたちが亀のそばをはなれるや、ボチャンと音がした。 「あっ、飛び込んだ!」と子供たちの声がした。 良かった! 大きなお世話じゃなかったみたい。 朝、出社をするとわたしの机の上に置いてあるものがある。 「能村登四郎全句集」という文字が見える。 (ああ、箔押し見本だ) 昨日問題になった箔押しの見本が並木製本より届けられたのだ。 手にとってよくよく見たのだが、きれいで問題がないように思える。眼鏡をかけてもう一度よく見る。 「きれいじゃない!」とわたしが言うと目の前の優明美さんがニコニコとうなづいている。 「これなら大丈夫よねっ」ってお互いにホッとする。 しかし、並木製本の高橋さんから電話があった。 「きれいじゃないですか」ってわたしが言うと、「そうですか?わたしは少し不満があります」って言う。 ようく見るとすこし欠けがあるという。 肉眼でみた限りでは分からない。 こういうところが、わたしが高橋さんを信頼するところだ。 わたしだってこの業界で少しは長く仕事をしてきた。箔押しが美しくないものはすぐわかる。 それでも今回はほぼこちらのイメージ通りに仕上がっていると思ったのだ。 それをもっと完全なものにしようとする高橋さんの心意気が有難いのだ。 「それでは、一応勧めますが、きれいでないものはわたしがはじきますので……」と高橋さん。 「お願いします!」と強く言って電話を切った。 本文も今日校了となり、いよいよ全句集刊行に向けて動きだした。 今日の「増殖する歳時記」は、三宅やよいさんによって、小林苑を句集『点る』より。 あれは夢これはよくある猫じやらし 「あれは」「これは」という対比で夢と現実との距離感を表現している。(略)あれは夢、という呟きに遠く消え去ったものへのあきらめが感じられる。そんな頼りない思いから足元にあるねこじゃらしにふっと目がとまったとき淡く消えてしまった夢のはかなさが、より強く感じられたのだろう。 と三宅さん。 調子が良い句だけど、不思議な句だ。なんというのかとらえどころがないようにわたしには思える。「猫じゃらし」は確かに現実の目の前にあるものなのだけど、触っても手ごたえがないような、作者の思いの力点が見えてこないようなちょっともどかしい思いにさせられてしまう。 ねんてんの今日の一句は、小枝恵美子句集『ベイサイド』より。 楠は水たまりのように晩夏 今日は俳句の日。8月19日の語呂合わせだが、20年くらい前に俳句ラリーという行事をしたとき、仲間といっしょに今日の俳句の日を設定した。 と坪内稔典さん。 そうか、今日は「俳句の日」なのか。 んじゃ、家に帰って一杯やるか……。 あれっ?????
by fragie777
| 2010-08-19 19:17
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