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7月26日(月)
夾竹桃。 今日の支払い日もとどこおりなく終わったと、書きたいところであるが、いやいや無傷ではなかった。 いまは銀行振り込みもパソコン上でできるので、ずいぶんと楽になったのであるが、これが禍いしたのだった。 パソコンのキイを叩いて軽快に作業をしていたはずの私であったが、実は暑さの疲れが出てしまったためかうつらうつらしながらの作業となっていく、しかし大事なことなんだからと気を奮い立たせ隣のPさんに時々注意されながら、請求書を処理していく。 ところがである。 突然、「残高不足により、お引き落としできません」という表示だ。 (そんなバカな……) 残高照会をしてみると、確かに恐ろしいまで少ない残高である。 わたしは蒼くなった。 (こんなことは初めてだ……) いったいお金はどこに? どうしてこんなことになったのか……。 大汗をかきながら、振込照会をしていくと、 ヤヤヤヤヤヤヤ……、 なんということだ、零(ぜろ)をひとつ大きく振り込んでいる。 わあー、 って私は大声をあげた。 「どうしたんですか?」とスタッフたちも驚く。 「桁数をまちがえて銀行の残高のほとんどを紙屋さんに振り込んじゃった!」 「あらまあ、yamaokaさん!」とスタッフたち。 しかし、笑っている。(えらい余裕だな。) 「居眠りばかりしているからですよ!」とは厳しいPさん。 まだまだ振り込まなくてはならないところがある。 わたしのお給料だってまだだ。 ふらんす堂はじまって以来のことだ、こんなことは。 それからのわたしの奮闘ぶりは押して知るべし、というところである。 そして無事にふらんす堂にお金は戻って来たのであった。 あーあ、 疲れた一日となった。 経営者も楽じゃないね。 ろくろく居眠りだってできゃしない、って、 ええっ! こんな経営者でいいんだろうか……。 今日の讀賣新聞の「枝折」では、鈴木淑子句集『震へるやうに』が紹介されている。 30歳の若手による第1句集。<さはやかにトランペットのファンファーレ><クリスマスシンデレラ城点灯式>など、みずみずしい感性がきらめく。 同じく讀賣新聞の長谷川櫂さんによる「四季」は、ふらんす堂文庫 飯田龍太句集『山のこゑ』より。 遠くまで海揺れてゐる大暑かな 砂浜に波の打ち寄せる海なら誰でも見ることができる。なぜなら肉眼で見えるから。しかし、アジアとアメリカの間で一枚の青い風のように揺れている海はそうはいかない。なぜなら心の目を開いて見なくてはならないから。そんな一句。 ねんてんの今日の一句は、明治編 水落露石句集『露石句集』より。 稲妻や更けてぞ語る蚊帳の中 もし蚊帳の中にいるのが夫婦だとしたら、夫婦の情が細やかになるだろうし、親子だとしたら親子の絆が深まるかも。 と坪内さん。蚊帳をつっている風景はまだ見ることができるのだろうか……。少なくともわたしの周りにはもう誰も蚊帳をつっていない。小さい時は蚊帳の中で寝た。(繊細だった)わたしという子どもは、蚊帳の中にはいるとその特有な匂いが押し寄せて来て息苦しくなり、なかなか寝付かれなかった。 夏ってどんな匂いがする?って聞かれたらとっさに蚊帳の匂いを思い出してしまうかもしれない。となりで寝ていたおばあちゃんの団扇の風の優しさとともになつかしい匂いとなってよみがえるのだ。 坪内稔典さんは、数日前のこのねんてんの今日の一句で、これから刊行予定となる水上博子さんの句集『ひとつ先まで』の句を紹介されていた。 夏帽子ひとつ先まで乗ってみる この気分、いいなあ。用事はないけどひとつ先まで乗ってみるというのはとても贅沢だ。 と。 坪内稔典さんは、第13回桑原武夫賞を受賞された。その受賞式とパーティが、7月20日に開催されたということである。 坪内稔典さま、この度はおめでとうございました。 ふらんす堂スタッフ一同、心よりお祝いを申し上げます。
by fragie777
| 2010-07-26 19:21
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