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7月9日(金)
しかし、よく雨が降る。 今日は渋谷で4時に約束があり出かける。 渋谷は依然10年ほど勤めていた場所である。 詩歌の出版社「牧羊社」で「俳句とエッセイ」の編集を5年間、単行本の編集の仕事を5年間やった。青山学院大学の近くにあった仕事場は青山や原宿へもちかく、まわりはテレビなどの撮影にも使われる華やかな人の行きかう場所だった。 今日は俳人の斎藤夏風氏におめにかかる用があったのだ。 打ち合わせを終えて仕事場にもどるともう6時近い。 それからあたふたと仕事をしていまはもう誰もいなくなった部屋で雨の音を聞きながらこのブログを書いている。 新刊を一冊紹介したい。 花の絵句集である。 姉妹のおひとりが絵を書き、お姉さまがの俳句を収録したものだ。 大坂芙由・田中清香絵句集『花野』である。お姉さまの大坂芙由(ふゆ)さんは、宮城県登米市にお住まい、妹さんの田中清香(きよか)さんは東京の四ツ谷にお住まい、遠くはなれたところにいる姉妹の心がひとつになった絵句集である。 酉年生れ、植物好きの姉妹が意気投合し、夫々に生き抜いた証しとして、ささやかな願ひを満たしたく、二人の冊子が生まれることとなりました。(略)頁をめくる方々に束の間の寧らぎを感じて頂けるならば、至上のよろこびでございます。 と前書きにある。 出来上がったこの一書を手にして、ページをひらいたとたん綺麗な色彩の絵が飛び込んできた。しかし、それはとてもつつましやかで、この絵を描いた人の心持ちを感じさせるものであった。 絵を見ていると、すうーっと心が落ち着いてホッとしてくる。 「束の間の寧らぎ」を感じてほしいと前書きにあったが、たしかにこの絵のつつましい美しさは心をいやしてくれる。絵は色鉛筆を使って丹念に描かれている。 不思議だ……。 わたしは福永武彦の画文集『玩草亭百花譜』の絵を思い浮かべた。 絵のタッチと雰囲気がよく似ているのだ。 すこし紹介をします。 これは鉄仙の花。 朝霞てつせんの花ほぐれゆく 芙蓉と花茗荷。 病床に芙蓉咲きしと告げにけり 暮れなずむ畑にほつほつ花茗荷 かもじ草。 なびき寄る沼への径のかもじ草 葉鶏頭と葛の花。 葉鶏頭もゆるばかりや無人駅 蓮祭り済みし東屋葛の花 こんなふうにどのぺーじにも花の絵が描かれていて、俳句が三句載っている。 オールカラーの華やかな本なのにどこか清らかでつつましい。 これは、花にむかう人の心映えがそのまま絵と俳句になったからにちがいない。 この一冊を喜んでくださっている姉妹の笑顔が目にみえるようだ。 雨はあいかわらず降り続いている。 まいったな……。 レンタルビデオの返却がもう2日も過ぎてしまっている。 しかも4本も! 今日返さないとますます金額がアップされていくはずだ。 濡れるのいやだな。 しかし、新しいビデオも借りたいし、 やっぱ、 行くとするか……。
by fragie777
| 2010-07-09 20:04
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