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5月29日(土)
薔薇をきれいに咲かせている家があった。 5月26日付けの読売新聞の西村和子さんの「俳句月評」に、杉原祐之さんの句集『先つぽへ』がとり上げられていた。 1998年慶大俳句入会以降の作品を而立を期にまとめた第一句集。「渓谷のずうんと下に冬田かな」「風摑むまでふらつけるヨットかな」など視覚で捉えたことを体感で表現する面白みがある。「昨夜のこと思ひ出しつつ泳ぐかな」にも心身の若さを感じるが、「かな」が安易に使われてはいないか。頻出する多くに推敲の余地がある。「叱られに会社へ戻る秋の暮」は働き盛りの一句。現代を生きる若者の本音が伝統的季題に新たな命を吹き込んだ。と。 俳句総合誌「俳句四季」では、筑紫磐井さんが、「俳壇観測」という連載で、『シリーズ自句自解1ベスト100 池田澄子』を丁寧に紹介している。 池田の本は、100句の自句自解だが、エッセイに軽妙な筆を振るうこの作家は、おのずと自句自解の俳句批評と俳句指導の両方の原理を含ませる。版元が「必読入門書」と銘打ったのは言い得て妙であり、おそらく池田以外の筆者にはあまり向かない惹句ではないかと思う。掲句と文章を抄録してみる。とあり、「恋文の起承転結さくらんぼ」「ピーマン切って中を明るくしてあげた」「棕櫚咲いてシャツ・パンツ・ココロよく乾く」「相談の結果今日から今日から夏蒲団」などの句とその解を紹介している。そして、 句集評には、攝津幸彦、仁平勝などにより面白いものはあるが、ひざを打つような池田澄子論には出会わない。それは池田が自らが語ってしまっているからだ。たとえばこんなふうに。 と書き、ある作品とその自解を紹介している。 (さすが、筑紫さん、うまいですね。) して、その作品は……。『シリーズ自句自解1ベスト100 池田澄子』の44ページのものです。 こうして筑紫磐井さんの文章をたどって、また新たにこの『シリーズ自句自解1ベスト100 池田澄子』を読むとさらに面白いのは、筑紫さんの紹介の仕方がいいのか、あるいは、池田さんのこの本が何度読んでも面白いものなのか……。 まっ。 両方ですね。 ここ数日どうしようか迷っていることがあった。 昨年の夏、京都のアスタルテ書房で買った「金子國義のカレンダー」がある。 1998年度のもので、「Kuniyoshi KANEKO 1998 La-bas de la peinture 」と題するものだ。 金子氏のサイン入りのもので、アスタルテにあるものとしては最後の一枚(ひとつづり)のものだった。 即気に入って買ったのであるが、その最初の1、2月のものを額装にしようかどうしようかずっと悩んでいたのだ。額装にする場合は、カレンダーを解体することになる。一枚破く、というのがなかなか勇気のいることなのだ。しかし、買ったものを楽しむためには、目にふれるところにおいておきたい。 で、 考え悩んだあげく、 やっぱり、額装にすることにして、 今日、ふらんす堂のご近所の画材屋さん(ここは良心的でいい額がある)に持ち込んだ。 規範のものは合わずに特注といういことになったのだが、 いまとなっては出来上がりが楽しみとなった。 かなり場所をとるので、狭い家のどこにおこうかと思案している。 さてと、 あの絵をどこに置こうかな……。 部屋を行ったり来りしているうちに、 俄然わくわくしてきた。 と言って広い豪邸じゃぜんぜんないので、おのずと場所はかぎられてくる。 思案のあげく、結局、 玄関のドアーをあけてまず目に飛び込んでくる壁にかざることにした。 じつはその隣になるところにはすでに金子氏のリトグラフが飾ってあるのだ。 それは、少女が熊のぬいぐるみを脇にかかえパリの地図をもってこちらをコケティッシュに見ているというもの。 数年前に買い求めたものである。 私の買える値段であるからもちろんそれほど高いものではなかった。 ほかにどうしても適当な場所がないので、このリトグラフの横に並べることにしたのだ。 ちょっとした金子ワールドね、などと自己満足をしているのだが、 実は、 ちょっと、 いいのかなって 悩んでいる。 それはわが家にやってきた堅気のお客さまがびっくりするのではないかっていうこと。 なぜかって、 案外、 過激なんです。 こんなふうに。 (まだカレンダーの状態のとき。)
by fragie777
| 2010-05-29 21:24
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Comments(1)
Commented
by
fragie777 at 2010-05-31 22:28
赤羽さま。
玄関の絵を拝見しました。 やはり雰囲気のある絵で、素敵ですね。 わたしの額装(カレンダーですが)も出来上がりが楽しみです。 ありがとうございました。 (yamaoka)
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