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2月25日(木)
星野立子句集『月を仰ぐ』(西村和子編)の再版(四刷)ができあがってきた。 星野立子は好きな俳人のひとりだ。 読んでいてこころが素直になってくるようで楽しい。 ペリカンの人のやうなる喧嘩かな この句集『月を仰ぐ』は「立子大好き」という西村和子さんが力をいれて編集してくださったものなので、立子らしい句が満載である。仕事に疲れた時などふっととりあげたくなる一書だ。 新刊詩集は、鈴木正枝さんの詩集『キャベツのくに』。白を基調とした本にパール箔が上品である。一篇を紹介する。 ジャックと ジャックトマメノキという木を 育てている そのおんなの子の肌は 夏でも白い くちなしの花のようだ ジャックトマメノキは 小さな鉢のなか その子の小さな時間のなかにある…… だれも見ていない時に ちちっ ちちっ と新しい葉が生まれる かわいいんだよ 見ていない時に生まれるなんて あたしみたいでさ あたしにしつかり水をやって 毎朝仕事に出て行くあたし 美容整形外科は年中無休 だから ジャックトマメノキも年中無休で 葉をつくる蔓をのばす ちちっ ちちっ すこしずつ ちいさいちいさい葉 小指の爪ほどの…… 夜十二時 同じ水を飲んで 並んで眠る ジャックトマメノキ あたしと それからもうひとり おおきな…… お客さまがひとり見える。 俳人の木村聡雄さん。俳句誌「吟遊」(夏石番矢代表)所属。国際俳句交流会の理事をなさっていて、大学で英語を教えておられる。 木村さんとのご縁は20年以上まえからのことだ。「いつか句集をふらんす堂で……」とおっしゃって頂いたときから20年+αを経過してしまった。高柳重信に師事したのだが、すぐに重信は他界。その頃の俳句への志を変わらずにもちつづけ、現在に至っている。 「わたしの句がどう読まれるんでしょうね」とニコニコとおっしゃるが、初志を貫徹しつづけた人間の恰幅のようなものを感じる人だ。20年来の約束をことしは果たしてくださるつもりであるのが嬉しい。 わたしはつくづくと感慨深い。 世界のさまざまな国で「俳句」は作られている、と語る木村聡雄さん。 ジャン・コクトーのお墓に行ったことがあるという。 コクトーが設計した礼拝堂で眠っているということだ。 パリから離れたところにあるので、「さすが日本人はいませんでした」と。 ああ、わたしは行ってみたい!
by fragie777
| 2010-02-25 19:22
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Comments(1)
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