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8月29日(土)
さっきまで部屋の電気もつけずに、わたしがものごころついてはじめて覚えた流行歌を歌った歌手のCDを聴いていた。 まさに詞も音も昭和のものだ。 平成のこの時代のどこを捜したって、この音もこの詞も出てこない。 甘ったるいような音色、恥ずかしくなるような言葉の連呼、そのおおまじめさに聴いていて思わず笑ってしまった…。 そして、その歌手がよくテーマにして歌う銀座に今日は行ってきた。 ふらんす堂から今年句集『コイツァンの猫』を刊行されたこしのゆみこさんの個展「こしのゆみこ陶猫展」が、銀座のギャラリーで開かれているのだ。 昼過ぎにうかがったのだが、こしのゆみこさんはその会場にいらしてニコニコと迎えてくださった。 というか、実は最初「こんにちは」って挨拶をすると、こしのさん、怪訝そうな顔をして「あのう、どなたですか?」っておっしゃる…。「ふらんす堂のyamaokaです」「あらあ、yamaokaさん! 全然分からなかった。こういうyamaokaさんもあるんですかあ…」って笑いながらおっしゃる。断っておくが、わたしは別に猫の着ぐるみを着てコスプレをしていったわけではない。ちょっとスカシタ格好をしていたかもしれないが…(なにしろ大人の街銀座ですからねっ。)「お仕事をされているときはなんというかきっちりされていて…、様子が違うので…」とニコニコとこしのさん。 さて、こしのさんの作品は猫ばかりであった。(陶猫展だから当たり前か…) 句集『コイツァンの猫』に装画としてつかわれたなつかしい「コイツァンの猫」もいた。 多くは置物としての作品が多いが、壁に飾るものもあり、作品には「俳句」がそれぞれ寄せられている。 こしのさんに確認はしなかったが、たぶんこの陶芸作品と俳句作品は分けて考えてはいけないのだ。一体としての作品なのだろう。もし、この陶芸を買ったとしたら、この俳句もともに買うことになるのだろう。 わたしがそう思ったのは、この陶芸と俳句の関係が絶妙の距離をたもちながらひとつの世界をつくりあげていることだ。陶芸作品をみて、俳句を読み、そして陶器をみる。するとそこに立ち上がってくるもの、それがこしのゆみこの世界なのである。 たとえば、 この作品に寄せられた俳句は「水の月さっきこわした花のかけら」。 こちらは「コイツァンの猫」。 こちらには、「からだすみずみ花や花そらやそら」。 陶芸作品をみて、俳句をよみ、ふたたび作品をみる楽しさ。 壁にかけられた猫たちもそれぞれ魅力的な表情をしていた。 最初の写真はこのギャラリーに棲みついているらしい猫。 わたしたちを歓迎し、去るときは見送ってくれた。 銀座は、裏通りなどを歩くと良き昭和の面影が残っている。
by fragie777
| 2009-08-29 22:51
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