カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
画像一覧
|
2月17日(火)
もうあと5分で12時、みすぼらしい服装にもどってしまうシンデレラのような心境である。 急がなくては…。 今日は昨年ふらんす堂よりエッセイ集『時空のクオリア』を刊行された朝吹英和さんのご招待をうけてスタッフの愛さんとともに楽しいひと時をすごして少し前にもどったところである。 ロシア料理をいただいたあと、「石の華」という朝吹さんがよく行かれるバーで美味なるカクテルを楽しんだ。 「ロッシーニ」というカクテルをご存知かしら? わたしははじめて味わったのであるが今の季節の旬の苺とシャンパンの鮮やかな色のカクテルである。 これがそう…。 朝吹さんはさすがいろんなカクテルをご存知だ。その中でもとりわけお好きなものを教えていただいた。そして『時空のクオリア』にちなんで、それらのカクテルをクラッシック音楽におきかえてくださいって、おそれおおくも課題をお出した。朝吹さんは笑いながら「いいですよ」。 ではまず一番目。 〇ファイン&ダンディ (ジン+コワントロー+レモンジュース+ビター) 朝吹さん曰く、ラベルの音楽のようである。おしゃれで上品でカッコよく泥臭さがなく明晰である、と。 二番目。 〇クォーターデッキ(ラム酒を主体にしていてもドライでさっぱりとした辛口のもの。クォーターデッキとは船の後甲板のこと。) これはシエラザード。千夜一夜物語のように海のロマンがある。 そして三番目。 〇スレッジハンマー 過激な名前であるが、ウオッカにライムジュースを加えたものだが、ウオッカの量が多くかなり強烈である。朝吹さんはご自身を勇気づけたいときにこれを飲まれるという。さて音楽にたとえるなら、ベートーベンの第3交響曲「英雄」とのこと。このお酒は人生肯定的な音楽「英雄」に共通するものがあると。 『時空のクオリア』を読まれた方はお分かりのように朝吹さんのクラッシック音楽への造詣は並大抵のものではない。スタッフの愛さんもクラッシック好きでかつて私はリヒテルのピアノ曲のCDを彼女に借りてその後すっかりリヒテルファンになってしまったのであるが、その愛さんが朝吹さんに 「ピアノ曲では何がお好きですか?」と尋ねると、つかさず 「ベートーベンのテンペストですね。これはリヒテルがいいですね。ああ、そしてミケランジェリが引くピアノソナタ32番がいいですねえ…」と次から次へと夢見るように答えられる。 そこには知識をひけらかしたり薀蓄をたれたりするのとはほど遠い音楽を心から愛するつつましやかな紳士がいる。だからわたしたちもすっかりお話に魅了されてしまって、音楽についてお酒についての楽しいお話を伺うことになる。 音楽もお酒もアリストテレスの学問のように際限がなく果てしない。 律儀で折り目ただしい紳士のなかの紳士ともいうべき朝吹英和氏。 もうすっかり12時をまわってしまった。 わたしも魔法をとかれたシンデレラのようによれよれのパジャマのズボンをはいてこのブログを書いている。 今日のふらんす堂には一人お客さまがあった。 句集をおつくりになる予定の田村玲子さん。俳誌「朝」(岡本眸主宰)の同人である。 打ち合わせを終えられたので、「記念に写真を」って申し上げると、「あら、まあいやだあ…」っておっしゃいながらもいい笑顔をむけてくださった。 「わたしって暑がりなのよ…」って言いながら、お元気に冷たい風のなかを帰ってゆかれた。
by fragie777
| 2009-02-17 23:42
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||