カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
画像一覧
|
11月29日(土)
今日の空。 駒澤大学の世田谷校舎にて、詩人の杉本徹さんによる講演「西脇順三郎を語る」があり、手塚敦史さん、森山恵さん、鳥居万由実さんたちと行く。 講演のタイトルは「永遠とは散歩ならずや」。 散歩者を自認する杉本徹さんが、心から敬愛する詩人に西脇について語ったのだ。 非常におもしろい講演だった。 まず第一に、西脇順三郎の詩をふたたび読みたくなったということ。(この実現はすぐにでも可能だ) そして第二に、散歩者として散歩をしてみたくなったということ。(これはなかなか実現不可能である) 人はいかにして散歩者となりえるか? 杉本さんは語る。 この現実世界へのいたたまれなさ。根源的よるべなさが人を散歩者へと駆り立てるのだ。 散歩者とは、ある目的意識をもって歩く人間をいうのではなく、ただひたすら歩く者のことをいう。 そこからプロ(?)の散歩者とは何かということが展開していくのであるがこのへんの話は特におもしろかった。 西脇順三郎もまた、散歩者であった、と杉本さんはいう。 西脇の詩には、野原の宴と音楽がある、と。 そこにはことばだけによって実現された強烈なイメージの世界があり、詩の現実の方がこの世の現実を越えて実在すると。 講演を聴いていてなによりも心地よかったのは、杉本徹という詩人が、「西脇先生が…」(実際は会ったことがないということである)と言うときに、手放しでこの詩人に心酔し、その作品を愛しているということがこちら側にビシビシと伝わってくることである。それはときどきお目にかかって杉本さんより西脇順三郎のことをうかがうときとおなじテンションで、変わりなく語られたということにもある。ああ、本当に西脇が好きなんだなあ…。って。 わたしも西脇、杉本にならって、昨日今日と大いに歩いた。 真夜中の帰り道もずっと歩きつづけたのだ。 イッカイの散歩者になるべく……、 いいえ、そうではございませんでした。 ダイエットのためでした。 もとより散歩者失格でございます。
by fragie777
| 2008-11-30 00:10
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||