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11月21日(金)
![]() 一本だけ丈高く咲いていた皇帝ダリア。 菊科だそうである。 二冊の新刊ができあがってくる。 28歳女性の詩集と、78歳の女性の句集である。お二人とも初めての著書となる。 女性詩人は鳥居万由実さん。ふらんす堂のHPサイト『詩のリレー2』の走者として参加した将来有望な詩人である。詩集『遠さについて』を刊行された。大学院生で大学では、フランスの思想家ジョルジュ・バタイユを研究している。大学の師の鵜飼哲氏が帯を寄せている。 「……こうして読者は、いつか不思議な寒冷地へ導かれ、かつて見たことのない空をみるだろう。」という帯の最後の一文が、鳥居さんの「あとがき」の「ひきこもることと、開かれることは、どこかでひとしい、と思い始めていた。ともかく、この世界に対して、他者でありつづけること。」ということばが響きあう。 うさぎを喉につかえさせたまま 厳めしい ライオン市議会議員は 星ちりばめた黒ビロードのすそをひきずりながら たんぽぽを踏みしめ 春の野の底をゆきます この詩集のなかでわたしの好きな一節である。 そして鳥居さんと同じ誕生月の11月うまれで50歳も歳のはなれた浜田順子さんの句集『若菜籠』も同時にできあがる。歳のみならず、こうしてこの二つの著書をおいてみると俳句と現代詩の「はるけき遠さ」に頭がクラクラするようだ。浜田さんは、俳誌「白桃」(伊藤通明主宰)同人。60歳から俳句をはじめて、18年目にして第1句集を編んだ。序は伊藤通明氏が寄せている。 小春日や龍馬と同じ誕生日 11月15日は坂本龍馬の誕生日であり、浜田さんは龍馬のふるさと土佐にお住いだ。 そりゃ、同じ誕生日というのを誇りたい気持ちがよくわかります。さっきスタッフの愛さんにとおしゃべりしていて「ねえ、タイムスリップできるとしたらだれに会いたい?わたしは龍馬とランボオかな」って言うと愛さん、「土方歳三もいいですねえ、だけど近づいたら切られそうで怖いけど…」などと言って笑ったのだが、土佐の浜田さんには龍馬へのいっそう思いがあるようだ。 脱藩の径も晴れたり蘆の角 土佐湾をななめに鷹の渡りけり 末の子にしばられてゐる兜虫 帰省子は大きな靴をぬぎにけり 師の伊藤通明氏の「大きな明るさ」にふれて師事することを決意したと「あとがき」にある。 土佐に友ひとりありけり初鰹 これは師の通明氏が浜田さんによせた一句である。 ここにも師と弟子のこころの通わせあいがある。 今日の「増殖する歳時記」は今井聖さんが、能村登四郎の句集『芒種』より作品を紹介している。 数へ日や数へなほして誤たず 「この『誤たず』には真実がある。(中略)『自分』の感性と、生きている時間の関わりに嘘がない」という一文は今井聖という表現者にとって抜き差しならないことなのだと思う。 by fragie777 | 2008-11-21 20:24 | Comments(0)
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