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10月2日(木)
10数年ぶりに降り立った夕暮れの鶯谷の駅。 この近くには、夭折の画家・有元利夫が住んでいた谷中がある。 歌人の藤岡巧さんと会っていまもどったところ。 仕事場にたちよらず家にそのままもどる。 藤岡さんと打ち合わせをしてもどる電車のなかで、はじめて藤岡さんと会ったときのことを思いだしていた。 もう20年くらい前のこと、ふらんす堂を始めたばかりでわたしにはたっぷりと時間があった。 暑い夏の日だった。 荒川べりを舟遊びをしようということになった。 わたしは俳人の大木あまりさんに誘われ、そこに若い女剣士のごとく凛々しい姿で登場したのが、藤岡巧さんだった。 ライオン丸のような鬣をした陰影のある美青年有賀真澄さんがひとり美少年をつれてやってきた。みんなで舟に乗り込んで、夏の日差しをあびながら舟に揺られ東京を川の方から眺めたことだけがやけに新鮮だった。 何を話したのか、そんなことはもうすっかり忘れてしまった。 大木あまりさんが真っ白な洋服を着ていて、それを食べ物の染みで汚してしまったことをとても嘆いていた…そんなことだけは覚えているから面白い。 わたしたちはみな若かった。 背筋をまっすぐにして、舟の前方をみつめている藤岡さんの姿があった。 あまりさんは、きっと藤岡さんのことは覚えてないかもしれないな…
by fragie777
| 2008-10-02 23:59
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