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7月26日(土)
写真は滑莧(すべりひゆ)。 食べられると聞けば、なんだかおいしそうである。 どうやら夏風邪をひいてしまったらしい。 昨夕あたりから咳がではじめ、喉が急激にいたくなった。 葛根湯をのみ、イソジンでうがいをして寝たのだが、夜中に身体のだるさと熱っぽさでなんども目が覚める。 (ああ、この休日は寝込んでしまうかもしれない…)ちょっとやばいな…。 それでも必死のうがいと葛根湯が効いたのか、朝になると熱は引いたようである。 予定のない久しぶりの土曜日なので、ゆっくり過ごすことに…。 「是非読むといいですよ」と言って、詩人の杉本徹さんがくださったねじめ正一の『荒地の恋』を読みはじめる。読む時間がとれずに放っておいたものだが、読み始めるとずんずんと引き込まれていく。 「荒地」派の詩人、北村太郎の晩年の恋を中心に田村隆一、鮎川信夫など「荒地派」の詩人たちの軌跡がリアルに描かれていて、興味深い。かつての雑誌を編集していたころに、個人的好みで「荒地派」の詩人の原稿は片っ端からもらったこともあり、登場してくる中桐雅夫や黒田三郎などの詩人たちの名もなつかしい。 その小説に描かれている田村隆一と明子夫人、そして北村太郎との三角関係のことなど、その赤裸々なありように圧倒される。 田村隆一ファンだったわたしは、むかし田村隆一が明子夫人と暮らしていた稲村ガ崎の家になんどもうかがっったものだ。書斎のベッドにパジャマ姿で横たわりおしゃべりをつづける詩人に原稿をやっと書いてもらったことなど忘れられない。そう、鎌倉の二階堂にもうかがい、新しい奥さまにおめにかかったときも、やはり詩人はパジャマ姿だった。 わたしが呑気にお花見見物をかねて、ウイスキーを所望するパジャマ姿の田村隆一に角瓶を持って会いにいっていたその背後でこんなことが起こっていたのか……。 どろどろした後味のわるい澱のようなものが心に残る……。 判明しがたい感情だ。 「わからないことは、わからないままにしておくしかない」 文中の、北村太郎が自問のはてにたどりつく言葉だ。 本をとじるとこの言葉だけが立ち上がってきた。
by fragie777
| 2008-07-26 22:26
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