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4月6日(日)
写真は、あけびの花。 あけびの実は、ちいさい頃に一度だけ食べたことがあって、白く透き通るような果肉があまくておいしかった記憶があるが、あけびの花ははじめて。へえー、こんな渋い色をしているのね。 先週の日曜日のこと、本屋さんで「ユリイカ」4月号で「詩の特集」がされていることを知り、立ち読みすることに。 ぺらぺらとページをめくれば、あらっ、見たような本の書影が…。 「ひゃあー、ふらんす堂刊行の詩集じゃない!」 岸田将幸さんの詩集集『丘の陰に取り残された馬の群れ』が、書影とともに批評されている。 そして、さらにページをくれば、「いま新人であること」という、詩人による鼎談がある。 稲川方人さん、佐藤雄一さん、そしてもう一人は女性詩人の峯澤典子さん。あら、まあ、峯澤さんは、ちょっと前に、詩集をつくるためにふらんす堂へご来社くださった方じゃない! と再びおどろく。 ああ、そういえば、稲川さんや佐藤さんとお話をしたと言っていたような、ああ、こういうことでいらしたのね。 たいへん嬉しい気持ちになり、さっそく、この「ユリイカ」4月号を購入することに。 「ユリイカ」といえば、創始者は、わたしがもっとも憧れ尊敬している伊達得夫さん。 なにしろわたしの机のよこの棚には、この伊達さんの写真が飾ってあるくらいだ。 うつむいてポケットに手をいれてすこし笑っている伊達得夫。 戦後のなにもない時代に詩の出版社「書肆ユリイカ」をおこし、飯島耕一、入沢康夫、大岡信、吉岡實、清岡卓行など多くの詩人の詩集をつぎつぎと刊行し、40歳にして急逝。現代詩における出版人としての伊達得夫の影響はおおきい。 この書影は、昭和46年にエディター叢書の一冊として刊行された、伊達得夫著『詩人たち』である。出版の日々がつづられ、詩人たちのとの交流が飄々と語られている。伊達さん自身の手によるユーモラスな動物のカットもとても楽しい。大岡信氏の解説によると、昭和37年に伊達得夫遺稿集刊行会から発行された『ユリイカ抄』(限定200部の非売品で、故人にゆかりのあった人のみに頒布された)の新版であるということである。わたしの大切な一冊であり、出版人としての原点がここにあると思っている。 この本は、いまは平凡社ライブラリーの一冊となっていて、1260円で購入できるようだ。 その「ユリイカ」に、ふらんす堂刊行の岸田将幸さんの詩集が紹介された。わたしはふるえる心で、書影の下のふらんす堂刊という小さな文字を見つめた。 あこがれ続けた伊達得夫さんにほんの少し近づけたような気がした。 そして、「ユリイカ」で詩の年間賞を受賞された峯澤典子さんの詩集を刊行させていただける。 伊達さんが天上からわたしにふっと笑いかけてくださっているような気がする。 「昼寝の国の人」は詩人の小笠原鳥類さん。 現代詩の精鋭詩人のおひとりでおられる小笠原鳥類さんは、田中裕明の鑑賞もその鳥類さんの詩の作品とどこかつながっていて、「詩(あるいは、壊れて進んでいく言葉)を書くようになる。」と、著者紹介のなかでもご自身が語っているように、すこしむつかしい。 鑑賞のことばもきっと詩の作品をかくように書かれている詩人のことばであるのだろう。
by fragie777
| 2008-04-06 22:09
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