12月28日〔金)
なつかしい沖縄の空。
こう寒くては、せめてあたたかな空を見上げて、ちょっと温もりましょう。
出社してやり残したことやら、年賀状書きやらとひとりで仕事をしていると、律子さんがやってくる。律子さんは昨夜の忘年会で、スタッフを代表して、また育ての母として、卒業していく男性スタッフのヤマジマ君に花束をわたしたのだった。その忘年会の写真がなかなかよく撮れたので、「このブログに小さくアップしてみようかしら?」と律子さんに言うと、「ウーン、どうでしょう?」と首をかしげる。「みんなおどろいちゃうかもしれないですね」ということで、今回はアップは致しません。
しかし、やり残したことの多さに溜息をつくばかり。
昨日の
増殖する歳時記は、三宅やよいさんが、清水凡亭さんの句集『ネクタイ』の作品をとりあげてくださった。「太箸に飼犬の名も加えけり」。凡亭さんとは、なつかしい。マガジンハウスの創始者であり、雑誌づくりでは戦後を代表する編集者でもあり、その生涯を雑誌にささげた人だった。この『ネクタイ』をお作りするときは、すでにマガジンハウスでは会長さんの役職についており、わたしはお目にかかるべく銀座の歌舞伎座の裏手にある有名なマガジンハウスをたずねたのだった。何階だったかしら、八階だったか、なにしろ一番上の階に会長室はあり、気合いをいれてめかし込んだわたしは、秘書のお名前は忘れてしまったが、感じのいい知的な女性の案内で、おそるおそると清水さんにおめにかかったのである。清水さんは大柄な、彼がつくる雑誌のハイカラな感じとはすこし違っていて、雰囲気は都会的なスマートさをみにつけておられるのだが、あたたかな武骨さがあり、含羞のひとだった。伏し目がちでとつとつとご自身の思いを語られたように思う。いまでもマガジンハウスのあの居心地よさそうな会長室はあるのかしら…。
「生涯一編集者かな初暦」「本つくる話はたのし炉辺の酒」。いま読み直すと、しみじみと共感する清水さんの俳句である。