9月11日(火)
新宿副都心の秋の空。今日の池田澄子さんの「俳句日記」で詠まれている数字の意味がすぐに分かったでしょうか…。わたしのなかで記憶にとどめておかなくてはならないものが、すさまじい勢いで風化していってしまうのがこわい。
午前中午後と来客があり、しかも君嶋真理子さんも装幀のため来社、いつもにまして慌ただしい一日となる。17日から一週間ほどバカンスでラオスに旅行に行く計画のある君嶋さんはいま必死である。今日も三本の仕事を仕上げて行った。仕事をしながらも相変わらずの最強ぶりで、「わったしさあ、この間、歯医者に行ってさ、素晴しい歯茎をしているって誉められちゃったあ」と嬉しそうである。「『何か身体にいいことしてますか?』って聞くんだよね」「(いやあ、酒ばっかり飲んで不摂生な生活でーす)って思わず答えそうになったんだけど、『それほどでも』って答えておいた」と豪語するミセス君嶋。「君嶋さん!相変わらずの無敵だねっ」と中井がチャチャをいれる。「今度さあ、内科の検診があるんだけど、きっと、肝臓がやられてます、なんて言われるんだろうなあ、アハハハハ」ともうまったく素晴しい屈託のなさ…。ラオスに行ってダンナとひたすら美味しいお酒を飲むことばかりを考えているみたいだけど、あんまり飲みすぎちゃ駄目よっ、君嶋さん! ところでラオスって、どこよ、と恥ずかしながらすぐに明瞭には答えられない。東南アジアのほうよね、たしか…。こんなときのウィキペディアということで検索するとフムフム、あらこんな形の国だったの…「ラオス人民民主共和国」が正式名、一時期フランスの支配下にもあったらしい。そういえば、ヨーロッパ風の洗練された建物がつづき、アジアと西欧の文化が織りなす独自のラオスの美しい町並みをテレビで観たことがあった。そのラオスの夕暮れの風にあたりながら君嶋さんが美味しいお酒に酔いしれているときに、わたしたちふらんす堂のスタッフはまだまだ忙しさの佳境ただなかで残暑の汗をぬぐいながらあくせくしていることでしょう、きっと。……羨ましいぞ。
今日の
増殖する歳時記は土肥あき子さんによって山下由理子さんの句集『野の花』(いいタイトルですね)より。「何の実といふこともなく実を結び」の句「名前を言わないことで優しさが際立った」と鑑賞。また、この句集は毎日新聞の「新刊案内」に村上喜代子さんの句集『八十島』ととも紹介されていた。
坪内稔典さんの
「船団」ホームページ「今日の一句」は、ご自身の句集『現代俳句文庫 坪内稔典句集2」より。「小錦のだぶだぶと行く残暑かな」いつもお人の俳句ばかりではなく、こうしてご自身の句を紹介なさるというのも版元へのお心遣いと嬉しく拝見。
また、今日の読売新聞の長谷川櫂さんによる「四季」には大野朱香さんの句集『一雫』より。「初さんま焼く菜箸に火が移り」
ということで、わたしんとこの夕飯は「初さんま」。お昼によったクイーンズ伊勢丹に一匹150円のさんまが売られていた。目玉の新鮮なものばかりを選んで購入。