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8月25日(土)
すっかり遅くなってしまった。それでも律儀にブログを書くわたし。いまアイスクリームを食べながらこのブログを書いているところ。夜中に食べるアイスクリームもまた、格別よ。 きょうは相変わらずの秋暑の一日となったが、午後に、ある方の告別式に参列した。富士経済グループの代表取締役の安部英雄氏の社葬が港区芝公園にある増上寺でおこなわれたのだった。この亡くなられた安部氏とふらんす堂がどういう関係にあったかというと、安部氏は経済人として有能な方であったばかりでなく、詩歌を愛し生前には句集や詩集を刊行された文化人でもあったのである。ふらんす堂をはじめて間もないころ、いろいろと出稼ぎをして身過ぎ世過ぎをしていた時期があったのだが、ある新聞社の企画でおもしろい句会を取材してそれを記事にするということがあった。そのひとつに、この安部氏が代表取締役をつとめる会社で、句会が社長を中心に行われているという情報を耳にしたわたしはさっそくそこに取材に行ったのである。そのことがきっかけで、それ以後ふらんす堂の本をいろいろと買ってくださるようになり、大事なお得意さまだったのである。もうかれこれ20年くらい前からのご縁となる。増上寺は赤坂プリンスホテルに隣接する風格ある仏教建築で、ひろい境内に蝉の声がひときわ激しく、ふっと見上げた空には東京タワーがそびえたっていて、東京に住んでいながら東京タワーはなぜか珍しく(ああ、ここは東京なのね)と、くつくづくと思ったのだった。 夕方は、詩人の薦田愛(めぐみ)さんとまえまえから約束してあった、シンガーソングライターの中川晃教クンの主演する「エレンディラ」の芝居を観に行く。(ウフフ、わたしたち中川クンを応援してますの…)蜷川幸雄の演出ということも魅力があり、原作はガルシア・マルケス、壮大なスケールの芝居となった。芝居のクライマックスちかく、運命の女性エレンディラと時をへだててやっと再会したウリセスが彼女に言う。 「もうボクたちは永遠に一緒だね!」 「永遠なんてないわ! 一瞬があるのみよ!」 「では、その一瞬、一瞬をともに生きよう!」 「いいえっ、生きるのでなく、死んでいくのよ!」 ………、抱擁のエクスタシーにおいても女はなんとリアリストなんだろう…、と私は思ったのでした。チャン、チャン…。
by fragie777
| 2007-08-26 01:41
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