8月12日(日)
相変わらずの残暑の厳しい一日であった。日帰りで郷里の秩父へ行ってきたのであるが、その行きの京王線で見つけたぶらさがり広告。まさにふらんす堂の心意気とぴったり、ということですね。このかつてのテレビ時代劇「必殺シリーズ」は、むかしから大好きで、おおかたを見てきたのであるが、最近は昼間この再放送をやっているらしい。友人・知人にこの「必殺シリーズ」のファンが多く、わたしもついこの間、ある友人から初期の「必殺商売人」のビデオを借りて見直したりしている。なんといっても藤田まこと演ずる中村主水(もんど)がカッコいい。昼行灯とよばれ、仲間の同心からも馬鹿にされ、妻と姑には頭があがらずさえない下級武士の主水が、闇の殺し屋としていくばくかの金をもらって悪いヤツを切り捨てる。その殺し方の非情さがいい。その主水にただよう殺気は多くのこれまでに殺された人間の怨念が集積してかすかな腐臭をはなっているかのようだ。人の恨みの暗いオーラが増幅して一気に人を斬る。そしてもとの昼行灯の顔をとりもどして、ひょこひょこと恐い奥方のもとに帰っていく。その背中にわびしい滑稽さがにじむ。この「商売人シリーズ」には、ほかに梅宮辰夫、草笛光子、日野正平が仕事仲間として登場してくるが、これがまたいい。(と、ここまで書いてきて、これって編集日記となんのかかわりがあるの? って。イカーン、どうも必殺シリーズのことを書き始めるとキリがなくなる…)「必殺」好きのあなた。お目にかかることがあったら個人的にお話しましょう。ということで、要するに、中村主水さん、あなたが必殺仕事人であるごとく、わたしたちふらんす堂のスタッフも勢ぞろいして明日から仕事にせいを出す予定です。お互い、仕事人としてがんばりましょう! ちなみにこの広告はみてのとおりパチンコ屋さんの広告。じつはわたし、最近パチンコ屋さんにこの「必殺シリーズ」が登場したという情報を聞き及び、仙川では誰がみているかわからないので、ちょっと足をのばしKという街まで行って、中村主水に敬意を表してまいりました。ええっと、結果は3000円をすべて主水さまに差し上げるということになりました。とにもかくにも、ふらんす堂は「お盆も、仕事だぜ!!」イエーイということでございます。