5月31日(木)
この薔薇はフィレンツェのサンタクローチェ教会の中庭に咲いていたもの。この薔薇を、薔薇がとても似合う俳人の仁藤さくらさんにささげたいと思う。というのは、仁藤さくらさんの句集『光の伽藍』が今年度の宮城県の芸術選奨の新人賞を受賞されたのである。先日喜びのお電話をいただいたのだった。「ああ、良かったですねえ!」と心から喜んだのは言うまでもない。心臓の持病をかかえられて、ほとんど臥せって一日を過ごされているということであるが、「最近はすこし家事もできるようになりました」とつつましやかな声にふくらみが感じられた。よくよく伺えば、仁藤さんは日々の生活を横になっているか、身体を動かしつづけているかどちらかの状態しかなくて、たとえば椅子にすわったり、立ち続けていたりすることは血液のながれが滞ってしまうとことなので、絶対にだめであるでとのこと。それって、よく考えれば普通の生活ができないということになり、穏やかにそのことをお話しされる仁藤さんにわたしは何と申し上げてよいのやら、言葉がみつからない。その仁藤さんのこの度のご受賞、多くの方から評価を得ていた句集だったので、それが認められたと思うと本当に嬉しい。帯をかかれた坪内稔典氏も今日のメールでお知らせ下さったのであるが、仁藤さんの俳句を高く評価しておられるので嬉しそうであった。
仁藤さん、おめでとうございました。
さて、バーコード、バーコード、わたしのあたまん中はあの縦じまが居座っている。……どうやって本につけるんだろう? 急を要することであるけれどいまわたしの前にはやっつけなくてはならない仕事が山積している。そこでスタッフの加藤にバーコード対策を頼んだのであるが、「バーコード委員会」のようなところへ詳しい説明をうけるべく加藤が電話をしたところ、「すでに資料は送ってあるので、目的意識を以てそれを読むように」というちょっとえらそうなお達し(!?)があり、ひやあ、まいりました。「目的意識をもって読め」な、なるほどね。加藤が目的意識をもって、なかなか分かりにくい説明を判読し、どうやらいくつかの方法が考えられるところまで到達したのであるが、あとはその選択の段階になって迷うことが出てきた。「あとはですね。yamaokaさん!どこか知ってる出版社へ電話をしてどうしてるか聞いて見て下さい」と言われた。(ウーン、……どっかないかなあ、こんなときにいろんな編集者のかたと仲よくなっておくといいのだけれど、案外引っ込み思案でわたしは駄目…。)いろいろと考えた結果どうにかある出版社の名前が思い浮かんだのだったけれど…。