5月21日(月)
写真は矢車草。この花の持つすこしさびしげで野趣な感じが好き。土の匂いのするなかで風に揺れていた。
朝のミーティングのときに、向こうのほうから「チン」というどこかで聞きなれた音がする。「あれっ」この音って…。「そ、そうなんです。電子レンジです。渡邊さんが引っ越しでいらなくなって、ふらんす堂に寄贈してくれたんです。」「ああ、そうだった!」もうすでに誰かが牛乳でもあたためているのかしら、さっそく使っているらしい。きっとお昼ご飯のときに大活躍、ということはもう決まり。
今日は歌人の坂原八津さんが、新座市(埼玉県)より来社される予定である。坂原さんは、俳人の森賀まりさんのお姉さまにあたり、亡くなられた田中裕明さんの義姉になる方である。わたしはお目にかかるのは今日で二度目。一度目は2005年の秋の横浜での「田中裕明さんをしのぶ会」にいらしてくださり、吟行句会にも参加されたのである。そんな田中さん、森賀さんのご縁で第三歌集をふらんす堂で刊行させていただくことになり、そのための打ちあわせに来社されるのである。「わたしは、まりと違って人見知りが強く…」とおっしゃりながら、逢えばもうずっと前から親しかった人のごとくお話しのできる方だった。とくに田中裕明さんの思い出、まりさんとの面白いエピソードなど話しはつきず、わたしの知らない楽しい田中さんのお話しを伺いながらやっぱり夢中で時間の経つのも忘れてしまった。田中さんの俳句「小鳥来るここに静かな場所がある」の「静かな場所」は、アシモフの推理小説の短編のタイトルから着想を得ているということもはじめて伺うこと。ああ、そうだったのか…。推理小説も田中さんはお好きであったということは知っていたけれど…。
ホームページ上に『田中裕明全句集』の予約の広告を出したところ、すでに何人かの方たちから予約をいただいているのであるが、奈良にお住まいのKさんが今日予約を下さり、この「日記」を毎日読んでいるというコメントがそえてある。わたしは思わず「ヒエー」って言ってしまう。「読んでますよ」って言われるたびに、実はとても恥ずかしいのである。こんな「日記」でもいくらか売上げに協力しているとしたら、と、とても恐縮に存じます。ハイ。