9月16日(土)
写真は昨日仕事場へ歩いて向かう途中に小学校の門のところに咲いていた朝顔。その色があまりにも美しくいったんは通り過ぎたのであるがやはり戻ってカメラにおさめる。今年はじめて、いただいた朝顔を咲かせてみて、朝顔にはいろんな色があることにどうやら気づく。遅いんじゃない!なんて言わないで‥‥。喉元を冷たい水が流れていくような爽やかな色。ああ、気持ちいい!
「わたしの好きな万太郎の一句」のアンケート結果をサイトに発表したところ、いったんは途絶えていたアンケートが再び集まってきた。それも皆さん、熱心なコメントを寄せてくださっている。みんな、万太郎の句にはそれぞれ思い入れがあるんだなあ、と思う一方、万太郎俳句には、人間の心情の振幅に応えることのできる深さがあり、人の心に襞にすっとはいりこんでいく不思議な力がある。再販した『万太郎の一句』にも、アンケート葉書をいれたのであるが、その葉書もすでに何枚が集まりはじめている。やはり、丁寧なコメントが書かれてある。サイトの更新は1週間ごとにしかいまのところできないが、わたしもほかのふらんす堂のスタッフも毎日今日はどんな句が選ばれているだろうって、アンケートメールや葉書をワクワクとして待っている。
今日の朝日新聞の大岡信氏による「折々のうた」に、石田勝彦氏の遺句集『秋興以後』より作品が紹介されている。石田勝彦氏はわたしにとっては忘れられない方で、ふらんす堂をはじめたときから一昨年の7月に亡くなられるまで、ずっとふらんす堂を応援し支えてくださった方である。作品の素晴らしさはいうまでもなく人間としてもおおらかで闊達な方であった。俳句の巧さということでは並外れて力のある俳人であったと思う。わたしは心から尊敬申し上げておりました。ああ、そういえば石田先生も、万太郎が大好きだった。だいたい、万太郎の俳句を出版するように熱心にすすめて下さったのが石田先生だった。あーあ、伺いたかったな、「いったい先生は万太郎のどの作品が一番好きだったんですか」って。
今日の「折々のうた」より
ゑのころのくすぐつたいぞ牛の鼻 石田勝彦