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1月8日(金) 初薬師 旧暦11月25日
丸池公園の池。 ここを翡翠がさっとよぎった。 それがセミオであるかセミコであるかは判別できなかった。 翡翠は子育て期間に入ったのであろうか、最近とんと姿をみせなくなった。 銀色のつややかな冬木。 鳥の姿があるが、たぶんヒヨドリだ。 栴檀(楝)の木。 黄金の枯色となった栴檀の実は青空に映える。 緊急事態宣言が発令されたが、どうも今ひとつ緊張感にかける。 この状況に慣れてしまって感染症を甘くみてはいけない。 気をひきしめて行こう。 新刊紹介をしたい。 A5判ペーパーバックスタイル帯あり 50頁 本著の著者の今泉忠芳(いまいずみ・ただよし)さんは、お医者さまである。ただ、たいへん俳句がお好きで、結社には所属されていないが熱心に俳句をつくられ、これまでに句集を何冊も上梓されている。ふらんす堂からも、『ある日の滴』、『日輪馬車のタクト』の二冊の句集を上梓され、今回の『おくの細道ところどころ』は、芭蕉にまつわる小文集である。 内容はおおきく二つにわかれている。 目次を紹介したい。 Ⅰ おくの細道ところどころ 一 杉風が別墅 二 殺生石 三 武隈の松 四 光堂 五 平泉 六 尿前の関、尾花沢、立石寺 七 酒田 八 山中 九 那古と云浦 一〇 敦賀、けいの明神、種の浜」 Ⅱ 笈の小文、俳文 一一 伊良湖岬と伊良虞嶋 追補 伊良湖岬と伊良虞嶋 一二 杖つき坂 一三 保美の里 あとがき たいとると目次からわかるように、1章は奥の細道の芭蕉がたずねたところをピックアップしたもの、2章は笈の小文などに出てくる地名についてのものである。 おくの細道(芭蕉)の句の中で、印象の深い句とそれほどではない句があります。 おくの細道の句は地図によって印象が広がることがあるように思われましたので、おくの細道の句のところどころの図をつくってみて、これを纏めてみました。 笈の小文、俳文の一、二については私見を追加しました。 諸兄、諸姉の皆様に本書を手に取っていただけましたらばこの上のない幸いです。 「あとがき」を抜粋して紹介した。 ということで、どの頁にも簡単な地図を付して、著者の小文を付す、というもの。 地図は今泉さんがご自身で作成されたものである。 この頁を紹介すると、 四 光堂 ……光堂は三代の棺を納め、三尊の仏を安置す。 七宝散りうせて、珠の扉風にやぶれ、金の柱霜雪に 朽ちて、既頽廃空虚の叢となるべきを、四面新に囲 て、甍を覆て風雨を凌。暫時千歳の記念とはなれり。 五月雨の降りのこしてや光堂 おくの細道のハイライトである。これを一読したとき、何のことだかわからなかった。 光堂は平泉中尊寺の金色堂のことである。天治元年(一一二四)清衡が自らの葬堂として建てた方三間木瓦葺阿弥陀堂である。堂全体が覆堂で保護されていた。一九六二~一九六八年、修理が行われ、覆堂は鉄筋コンクリートとなった。 光堂を訪ねた時、上の方に昔の覆堂があった。なかなかの優れた建築と思われた。この時、おくの細道の記述を理解することができた。 六 尿前の関、尾花沢、立石寺 尿前の関 ……なるごの湯より尿前の関にかかりて、出羽の 国に越んとす。此路旅人稀なる所なれば、関守にあ やしめられて、漸として関をこす。大山をのぼって 日既暮ければ、封人の家を見かけて舎を求む。三日 風雨あれて、よしなき山中に逗留す。 蚤虱馬の尿する枕もと 尿前(しとまえ)の関……鳴子温泉より西へ二キロ。陸奥から出羽へ越す関所。現在の地図には記載を欠く。 鳴子の湯……鳴子温泉、宮城県北西部、大崎市にある温泉。こけしは有名。 「しとまえ」と馬の「バリ」と並んでいる。 義経の若君の始めて尿をし給へる処なるべし 小児の尿を奥羽にてはシトといふ(奥細道菅菰抄)。 尾花沢 尾花沢にて清風と云者を尋ぬ。……さまざまにもてなし侍る。 涼しさを我宿にしてねまる也 這出よかひやが下のひきの声 まゆはきを俤にして紅粉の花 蚕飼する人は古代のすがた哉 曾良 尾花沢……山形県北東部、新庄盆地の南部の市。日本三大多雪地の一とされる。寛政年間には延沢銀山の集出荷地、幕府の代官所がおかれた。 花の山形 もみじの天童 雪を眺むる尾花沢 (民謡) このようにして芭蕉がたずねた地を、地図を確認しながらご自身の知識を整理して小文を付していく。 そんなふうにして成った一冊である。 担当スタッフの文己さんからはつぎのような感想がきている。 「奥の細道」を地図から読み解く視点が面白いと思いました。 芭蕉の句の場所の地名を見ながら句をみることを目的としているため、図・地名を大きくはっきりさせたい。 そのために大きめの判型にされたいというのが今泉さんのご希望でした。 芭蕉の句は太字に、というのも今泉さんのご希望です。 お医者さまとして現役でお仕事をされているので、なかなか連絡がとりにくかったようである。 それにしても,今泉忠芳さんは、俳句がたいへんお好きな方のようである。 わたしも実は一度もお声をきいたことがない。 お手紙のやりとりが中心である。 しかし、このようにして一冊の本として上梓されるという思いは、俳句への情熱によるものであると思う。 装幀は、句集のときとおなじように君嶋真理子さん。 あつみ山や吹浦かけて夕すずみ 今一つ印象がはっきりしませんでした。 酒田の地図を参照してみると、酒田は庄内平野の海岸の真ん中、最上川の川口でした。 広い庄内平野の海岸線は長く、東から西の視野が一八〇度をしめていました。これにより、印象が一八〇度広がりました。西の果てがあつみ山、東の果てが鳥海山の落ち込む吹浦です。(「あとがき」より) この著書にでてくる地名であるが、不肖yamaokaもけっこう訪ねて行っていることが分かった。 ええっと、あげてみると、 「殺生石」「光堂」「平泉」「尿前の関」「尾花沢」「立石寺」「酒田」「伊良湖岬」 どうよ、いっぱしじゃない、わたしって。 行くことは誰だっていけるから、どういっぱしなのかわからないけど、でも仕事柄押さえておきたいところよね。 ふふふ 見直した? ただ、あとで一緒に行った友人たちと旅の話をすると、ほとんど覚えていなくていつも笑われるyamaokaではある。 場所がミキシングしちゃって、いったいどこがどこだったかわかんなくなってしまうのね。 そういうヤツなんです。 yamaokaは。。。。。 ああ、でも、この奥の細道にかぎっていえば、芭蕉の名句とともにその場所を思い出すことができるから、やはり俳句の力ってすごいかもしれない。 詠まれたものによってその土地が知られるようになるっていうのは、詩歌においてはやはり俳句が一番であると思う。まさにその土地への挨拶としての俳句でもあるのだから。。。 その場所へ、いや場所にかぎらずそこに暮らす人々やその歴史や風土でもあったりするのだが、詩歌で挨拶をするなんて、俳句はずいぶん粋な文芸であるとわたしは思うのだ。 そのことをこの青鷺は知っているだろうか。。。。。 明日から3連休である。 冬休み中に整理しきれなかった仕事場をすこし片付けることにしようか。。。 そう思っただけで、身体中がかゆくなってくる。 本当にものを整理するって苦手。。。。
by fragie777
| 2021-01-08 19:02
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