カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
画像一覧
|
8月4日(金) 旧暦6月13日
昼顔。 午前中、Canonの営業マンの長谷川さんとエンジニアの有馬さんがPさんのパソコンの問題を解決すべく来社していたのだが、「お盆休み」の話しになった。 「ふらんす堂さんは、お盆休みいつからですか?」 「うちは、11日から16日まで、Canonさんは?」 「それがですねえ、うちは11日から20日までなんですよ」 「それは長いわねえ、でも良いじゃない」 「まあ、働き方改革の一環で、それがこういう形になったんですが、ぼくら大変ですよ。労働時間が少なくなっても成績はいま以上に上げろって言われてるんですから」 「あらら、それは大変ね」 「長い休みを前にしていったいどう過ごしたらいいんだろうって、呆然としてるんです」と苦笑いのお二人だった。 そうか、「働き方改革」って言っても、なかなか微妙な問題があるんだなあと実感した次第。 でも、長い休み(バカンス)を多いに利用して豊かに過ごすっていうのも悪くないと思うけど、働き蜂の日本人は苦手かもね。 ウェブマガジン「スピカ」の運営者のお一人である野口る理さんより、Pさん宛てにメールをいただいた。 る理さん担当のページで、「賞」についての特集をなさるということ。 「田中裕明賞」に対するインタビューである。 「yamaokaさん、応じてください」 「いや、Pさん、あなたがやった方が……」 そんなやりとりのあと、Pさんがそのインタビューに応えるため必死に取り組んでいる。 いくつかわたしの方にも質問がくる。 田中裕明賞については、夢中で取り組んできたので、あらためて質問されると「う~~んと」って考えてしまう。 そして立ち止まって考えて、改めて、ああ、そういうことだったのかもしれないな、と意識下にあった思いに気づくのである。 「いいですか、ちょっとまとめてみましたら、読んでみます」とPさんが読み上げている、わたしも含めたスタッフがそこにツッコミをいれる。 そんな風にしてこのインタビューの答えが出来上がった。 興味のある方は是非に読んでください。 ほかのどんな「賞」がとりあげられているのか、そしてどんな風に応えられているのか、それも知りたいなあ。。。。 今日はお客さまがひとり見えられた。 涌井ひろみさん。 練馬区にお住まいの涌井さんは、始めて上梓される歌集についてのご相談に見えられたのだった。 「ふらんす堂のことはどうしてお知りなりました?」と尋ねると、 「ふらんす堂さんから刊行されている「短歌日記シリーズ」です。全部買って読んでいます。」とおっしゃりながら、栗木京子歌集『南の窓から』を取り出された。 「小島ゆかりさんも、栗木京子さんもいいですね」と涌井さん。 15年ほど前に短歌をつくりはじめ、結社にはいらずに一人で短歌を作られてきたとのこと。東京新聞の短歌欄で佐佐木幸綱選に入った短歌がちょうど100首になったこと、それといままで作ってきた100首、ほかに連作などをいれて300首ほどを一冊にされたいご意向である。 今日はいろんな歌集の見本をご覧になって、文庫本サイズにちかい小振りのフランス装の歌集になさることに決められたのだった。 中学、高校の女子校で、音楽をおしえておられるという涌井ひろみさん。 「こういう本をつくりたいのです」と涌井さんがバッグのなかより取り出されたのが、福永武彦の『夢百首雑百首』という本。 小さな函入りの本である。 「わあ、いいですねえ!」とわたしは思わず声をあげてしまった。 フランス装の本である。 しかも本フランス装。 きわめて瀟洒。 どのくらい小さいかというと、こんな感じ。 わたしは何度も何度も本を手に取ってページをめくった。 二色刷りでもちろん活版印刷。 福永武彦自身の装画で、彼の自装である。 すみずみまで福永武彦そのものの一冊である。 奥付を見ると昭和五十二年刊とある。 こんなに凝った本が売られていた、ということに今更ながら驚いてしまう。 「福永武彦が好きでしたので、買いました。まだ学生の時でした」と涌井さん。 俳句もすこし収録されている。 こういう本の良さは現実に手にとって触れてみたりしないと分からない。 重さを感じ、匂いをかぎ、風合いをたしかめ、活字の美しさに目をみはり、そこに懲らされた意匠を心にとどめる。 それは「書物を体験する」ということ。 そう思わせる本がめっきり減った昨今である。
by fragie777
| 2017-08-04 18:59
|
Comments(2)
Commented
by
オスカー
at 2017-08-07 11:44
x
涌井さんのお話に出てきた福永武彦さんの本、欲しくなってAmazonで検索して買ってしまいました。どの作品もステキでした。オチャメなところもあり、福永作品は数冊しか読んだことがないのですが、短歌や俳句からその雰囲気が感じられて、本を読んでいた二十歳代を懐かしく思い出しました(笑) よい出逢いになりました。ありがとうございました。
0
Commented
by
fragie777 at 2017-08-07 18:48
オスカーさま
そうなのですか。手に入れることができたのですか。良かったですね。福永武彦が短歌や俳句をつくっていたということも驚きでした。 新しい読者を獲得して、本も喜んでいると思います。 コメント嬉しかったです。 (yamaoka)
|
ファン申請 |
||