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6月18日(日) 父の日 旧暦5月24日
王立美術館の開館時刻を間違えてしまったらしく、開館までの一時間ほどを、付近を散策することにした。 ちなみにこの自転車の走っている道路は、王宮の前である。 王宮。 窓ふきをしている人がいた。 たくさんの窓があったが、この一カ所のみ。 彼はこれから全部の窓を拭いていくのかと思うと、頭がくらくらしてきた。 こんなにたくさんの窓。 ひとつだけ開かれて窓ふきの最中である。 窓ふきの彼には部屋の中が見えるだろうなあ。 いったいどんな光景なんだろう。 今日は田中裕明・森賀まり共著『癒しの一句』より、6月18日のものを紹介したい。 担当は(ひ)とあるから田中裕明さんである。 葭切や午前むなしく午後むなし 相馬遷子 葭切は鳥の名前。スズメ目ウグイス科に属する。大葭切と小葭切がある。薄茶色の小型の鳥である。中国南部から夏鳥として渡来する。湖や河原の蘆の茂る間に蘆(葭)で巣を作るのでこの名があるのだろう。鳴き声が騒々しく行々子(ぎょうぎょうし)という異名がある。蘆の穂先に止まってうるさく鳴いている姿を見ることもある。その声は意外に遠くまで響く。 葭切を聞きながら無為の時間が過ぎる。午前も茫々と過ぎていったし、午後もまた何もせぬうちに過ぎてゆく。ただ、人間、何かをしなければならないように思っているが、それもまた迷いかも知れない。 作者相馬遷子は明治四一年(1908)長野県野沢町生れの医師。俳句を水原秋桜子に学んだ。戦後郷里で開業し、佐久の自然を詠って「馬酔木高原派」と呼ばれる。晩年は胃癌と闘いながら澄み切った作品を遺した。「秋風や何為さば時みたされむ」「わが山河いまひたすらに枯れゆくか」など。 掲出句は句集『山河』(昭和51年)所収。 You Tube で葭切の鳴く声を見つけたので、聞いてみませんか。 今日は「父の日」である。 ということで、ちょっととってつけたように、ブリューゲル父子の作品を紹介したい。 ブリュッセル王立美術館所蔵のものである。 こちらは、ピーテル・ブリューゲル(父)の作品。「ベツレヘムの人口調査」 そしてこちらが、ピーテル・ブリューゲル(息子・長男)の作品。同じく「ベツレヘムの人口調査」 父の作品を息子が模写したものであるが、色使いがかなり違うことに驚く。 細部をみれば、忠実な模写とは成り得ていない。 同じ部屋に飾られていて、比較検討できる面白さがあった。 専門家がどう語っているかはわからないが、父の絵の方が全体的に冬の厳しさがあり、陰翳が深いように思えた。 面白いのは、左手後方の湖(?)の色だ。 これは明らかに違う色である。 この絵をみてわたしはヒエーと驚いてしまった。 だって、水の色ではなくなっている。土の色のように思える。 息子のピーテル・ブリューゲルは、あえてこういう色をおいたのだろう。 父と異なる何か、を表現したかったのか。 細部にわたって父の作品と比べていくと、いろいろと面白いものが見えてくるかもしれない。
by fragie777
| 2017-06-18 20:35
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Comments(3)
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やぶこうじ
at 2017-06-19 13:39
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初めまして。時々、覗かせていただいております。俳句情熱いっぱいのブログで愉しいです。もし、ご存じであれば、渡邊千枝子さんの、
峰雲や行進曲に国滅び の収録された句集名(『海のこゑ』『さくらどき』『残響』『星辰』)をご教示賜われば幸いです。よろしくお願いいたします。
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fragie777 at 2017-06-19 14:28
やぶこうじさま
初めまして。 お尋ねのことですが、ちょっとわかりかねます。 インターネット上でも調べましたが、収録句集はわかりませんでした。 渡邉千枝子さんのご連絡先がわかれば伺うところですが。 そういう次第でお役にたてずごめんなさい。 よろしくご了承くださいませ。 (yamaoka)
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やぶこうじ
at 2017-06-19 22:03
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