カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
検索
画像一覧
|
6月12日(月) 旧暦5月12日
ノートルダム大聖堂とルーベンス像 大石悦子さんの季語別俳句集を編集するにあたって、飯島晴子の忌日を「蛍火忌(けいかき)」と呼ぶことをはじめて知った。(今更なんて驚かないでね)。あるいはふらんす堂刊行の奥坂まや著「飯島晴子の百句」に書かれていたかなと思い、(何しろyamaokaの頭はナス頭なので信頼がおけない)調べてみたが、そのことについては触れられていない。蛍を詠んだ句は二句収録されている。 螢とび疑ひぶかき親の箸 『蕨手』 螢の夜老い放題に老いんとす 『寒晴』 奥坂さんの鑑賞においても、「螢」は、晴子の好む季語の一つで、毎年のように見に出掛けていた。とあり、「蛍」を好んだ作者であることがわかる。 「蛍火忌」という名称をインターネットで調べたところ、「週刊俳句」「空蝉の部屋 飯島晴子を読む」で小林苑をさんが書かれている晴子論に、晴子の忌日は「蛍火忌」と名付けられた。とあり、「蛍火忌」が飯島晴子の忌日であることが記されていた。 いやいや、まてよ。 そうだ、2011年にふらんす堂より刊行させていただいた平石和美さんの『畳ひかりて 飯島晴子の風景』を調べてみた。 この本は、飯島晴子について時間と労力をおしまずに晴子の俳句に近づこうとした平石さんの渾身の著書である。 「螢」という章があった。 螢とび疑ひぶかき親の箸 についてふれ、この句が秩父(わがふるさと!)でつくられたことを知った平石さんは、秩父へと通い、晴子の文章を思い起こしながらこの俳句について思いを巡らせるのである。螢にかかわるところを少し引用してみたい。 さて、秩父では螢のシーズンでありませんでしたので、私は地元の螢狩に出かけました。交野市の川にたくさん螢が出るところがあり、あまり人に知られていないところが気に入っています。螢の多く飛びそうな日を選んで一人で行きました。日没を待って、螢が点滅を始めたとき〈疑ひぶかき〉を思い出しました。しかし自動車が通るたび強いライトに螢の明りは搔き消されるのです。 〈螢などというものは、何かの折にふっと出会うもので、一人で螢を見るだけにわざわざ出向いて、山靴に身をかためて何時間も川を睨んで待っているようなものではない〉と、晴子の言うとおりだと思います。 今年は運よくもう一度螢を見る機会がありました。大雨の日に丹後へ出かけ、螢狩のことはほとんど諦めていたのですが、夕食が終わる頃には月が出ました。一同早速付近を散策して植田の中に、か弱い光を見つけたのです。姫螢でしょうか。手を出せば届きます。 そして螢は容易く人に近づきます。手から手へ渡して、掌の中の螢明りを楽しみました。 そして平石さんは、末尾をこう結んでいる。 六月六日は飯島晴子の命日「螢火忌」です。梅、鶯がそうでありましたように、螢にも恋を結び付けない晴子でした。 ちゃんと記されていたではないか。 わたし、このブログでこの著書を紹介するときに、このことを書いていたかもしれない。 いま、じわじわと記憶が甦ってきたような気がする。 もう、いやだなあ、 こうやってすぐに忘れて、すぐに感動して、またすぐに忘れてしまう。 どうしようもないなあ、、、 やはりボケナス頭なんだよなあ。 忘れることを恐れてはいけない。忘れることは人間の特権である。 忘れることによって人間は解放され、記憶することによって人間は拘束されるのである。 という名言もあったではないか。 って、これは嘘である。 yamaokaが、いまでっち上げたの。。。 こういう生き恥もすぐに忘れちゃうからさ、最強でしょ。 今日はひとりお客さまがお見えなった。 坂野(ばんの)たみさん。 第一句集となる句稿をご持参下さったのである。 坂野たみさんは、俳誌「玉藻」に所属しておられる。 ご病気になられた(いまはお元気である)ことをきっかけに、俳句に目覚め、「いまは明けても暮れても俳句の日々」であるということ。 昨日は井の頭公園で、「(星野)高士先生と一緒に句会をしましたのよ。明日は椿先生と句会がありますの」と、楽しそうにお話される。 「月にどのくらい俳句をつくられますか?」と伺うと、 「それはもう、数え切れないくらい。でも、駄句ばかりかも……」 「こんな風にたくさん作っていて、ふとこれでいいのかしら?って思うことがあります。でも、有馬朗人先生のお話を伺ったときに、スランプを打開するには俳句をさらに作ることである、と言われ、ああ、そうなのだと思いました」と坂野さん。 ご夫君も俳句をつくられるということであるが、 「主人は、天狼系の結社なので、全然ちがいますの」ということ。 「俳句に出会って本当に良かった。」としみじみ語られた坂野たみさんである。 下北沢にお住まいということだが、「仙川はいい街ですねえ、こういう処に住みたいわあ」とおっしゃる。 わたしは胸をはって、「いい街でしょう!」と申しあげたのだった。 下北沢は若者に断然人気があり活気があって好きな街であるが、やっぱり住むには仙川かなあ。。。とわたしは思っている。
by fragie777
| 2017-06-12 19:30
|
Comments(2)
|
ファン申請 |
||