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4月10日(月) 旧暦3月14日
今日も新宿御苑の桜より。 去る8日に京都のホテルオークラで行われた俳誌「汀」(井上弘美主宰)の五周年のお祝いを紹介したい。 こんにちは。 井上弘美でございます。本日は「汀」5周年記念祝宴にこのようにたくさんのみなさまにお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。 とりわけ、ご来賓のみなさまにはご多用のところ、私たちのためにお時間をおつくりいただきましたことを心より感謝申し上げます。 ……スイマセン、相当緊張しております……(笑) 私が京都の高校を休職いたしまして、東京に出ましたのが平成16年のことでございました。その時、ここにご臨席賜っております、茨木和生先生はじめ辻田克巳先生、そして山本洋子先生、大石悦子先生、岩城久治先生、たくさんの先生方と俳人の方が集まってくださいまして、送別会を開いてくださいました。 その時ちょうど大分へお帰りになる小松生長さんとふたり一緒に送別会を盛大に開いてくださいました。 私は学校に「2年で帰る」という念書も書いて出ましたが、念書を守ることもなく京都に対して裏切り行為を重ね、そしてそのまま東京に残りまして今日の日を迎えるという不届きなことをいたしました。 それで、5周年の節目にはその時本当に温かく送ってくださった皆様にご報告とお礼を申し上げたいと思いまして、京都でこのような会を催しさせていただきました。 本当にありがとうございました。 私はこの日を出発点としてこんにちまで歩いてくることができました。 ちょうどその、平成16年の春東京へ出ることになりまして、大学院の入学式が4月7日とかそういう日だったと思うのですが、直前に1年間側に置いておきました母の遺骨を納骨いたしまして東京に出ました。今日は菩提寺の奥様のご臨席をいただいておりますけれども、ちょうど今日のように境内の桜が満開でありました。その満開の桜の中で母の遺骨を納骨し、父に託しましてそうして出て参りました。 桜の京都でぜひみなさまに来ていただきたいというのはそういう気持ちもございました。 そして、偶然ではございますが、今年は父の33年を迎える年でもございます。 今日私がこのような席でここに立っているということを父も母も喜んで呉れていると思います。 今日は母の形見の着物と帯をつけて参りました。 さて、「汀」はわずか5年の間ではありますが、良き仲間に恵まれ、そしてたくさんの方の温かいご支援を賜りまして、この5年間大過なく歩んでくることができました。 私たちの歩みにつきましては、ささやかながら5周年の記念号に書かせていただきましたので、ここでは繰り返しませんが、なんといってもこの4年間に京都の祭事吟行を慣行いたしましたことは、私にとっても思い出深いことであり、そして大きな成果であったと思っております。 今日はその成果とも言える本を『季語になった京都 千年の祭事』と題しまして、角川文化振興財団より出させていただくことができました。この本の中には古今の名句、そして本日ご臨席いただいている先生方の御句もたくさん入れさせていただいております。そういう名句の中に「汀」で誕生した句を入れることができたということは私にとってとっても大きな喜びでございます。 ありがとうございました。 私の師匠でありました関戸靖子は、折りにふれて「弘美さん、俳句を続けていたら、『本当に俳句があってよかった』と思える日がくるからね、きっと来るからね」といつも励ましてくださっていました。 いまその言葉の意味を噛みしめております。 私にとって俳句があるということは仲間があるということ。そして俳句によってたくさんの縁を賜ることが出来たということ、そして何よりも生きることに意味を見出すことができたということではなかったかと思います。 晩年の11年間を闘病生活で過ごしました綾部仁喜は、窓一つの景観の中で11年間たゆむことなく俳句をつくり続け、そして真摯に俳句と向き合い、私たち弟子を励まし、俳人としての生き方を示してくださいました。 このお二人が敬愛して止まなかったのが、石田波郷です。私はこれからも絶対的な信頼を持って、師系一筋に学び、そして「汀」の仲間と共に歩んで参りたいと、今、心から思っております。 こうしてこの舞台からみなさまを眺めさせていただいておりますと、本当にたくさんの方のご恩になってきたと今つくづく感謝いたしております。 なかなかいろいろなことが不出来で、今日は雨が降りまして、「汀」の人たちはみんな「先生のせいだ」「やっぱり雨女」「晴れ女を結集したのにも拘わらず私には勝てないんだ」(会場爆笑)というふうにちょっと思っておりますけれども、いろいろ未熟な私でございますけれども、どうか今後ともよろしくお願いいたします。 拙い挨拶ではございますが、今日はお礼を申し上げるというつもりでこの場に参りました。 ありがとうございました。 なにゆえ京都で五周年のお祝いの会をなさったのか、ご挨拶によって改めて知ることができた。 井上弘美主宰、そして「汀」の皆さま、 五周年おめでとうございます。 心よりお祝いを申し上げます。 閉会のあと、「二次会」はなく、「皆さまに京都の夜桜を楽しんでいただきたい」と夜桜マップが渡されたということである。 なんとも心憎いはからいだ。 参加者はそれぞれ、夜桜マップをもって吟行にくりだされたようである。 そのころはもう雨も止み、皆さん京都の夜桜を満喫したのではないだろうか。 京都の桜でなくてごめんなさいませ。
by fragie777
| 2017-04-10 20:45
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