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2月6日(月) 旧暦1月10日
ドアから出て来た男の子。 あまりにも美しい観光の街で、生活の臭いもなくドロドロした人間模様とは無縁の街のように思えた。。。。。 もうすぐ夜の七時になろうとしている。 まだ、スタッフたちは仕事をしている。 わたしは腕を頭の後にまわして椅子にふんぞり返るような格好で、大きくノビをした。 ああ、らくちん。 最近わたしのまわりの友人たちには、腰が痛い、股関節が痛い、膝が痛いと、言う人間がふえている。 人生を、さぼりながらであろうとがむしゃらであろうと、ある程度生きちゃうといろんなところにガタがくるのである。 若い人はそういうことってわかんないでしょ。 ぴょんと起きられたり、片足立ちをして靴下が履けるって一生もんだなんて思わない方がいいわよ。 ある日片足立ちをして靴下履こうとしてね、こうグラってくるわけね。 あれっ、おかしいぞ、って気合いをいれてもグラってきて、 壁に寄りかかったり、腰を落としたりして靴下を履くわけである。 でも、昨日はグラッときたけど、今日はどうだって挑戦すると出来たりして、しかしその翌日はグラッと来たりして、あれれれって、そうして自分の身体というものを自分から突き放して考えるようになったりするのだ。 わたしの意識に反して、身体がなんかちょっと思うようにいかないぞ、って。 そんなことの繰り返しで歳をとっていくわけである。 ああ、いやだ……って言っても、どうにもなんないし、こうやって机に這いつくばって仕事をし、死ぬまで仕事人でいたい、なんて意気込んでいても、歳月も運命も容赦しない。 yamaokaだってそんなこと分かっているけど、心は元気だからおおかた自分の身体のことを忘れていられる。 自分の身体を忘れていられるのは、大した痛みをもっていないからだ。 そして、生まれついた脳天気さが身も心も助けているんだと思う。 先日、ある俳人の方にお目にかかったら、 「yamaokaさん、まだ仕事つづけてるんですか、お嬢さんに任せたとか聞いてますけど」って言われ思わず 「やってますよ!」といささか憮然として答えてしまった。 ぜったい引退とかして晴耕雨読で暮らしたいなんて思わないから。 ぼろっちい畳の上に暮らして、きれいな仕上がりの本をつくるために製本屋さんとか印刷屋さんとやり合いながら、雨が降っても台風がきても仕事場と家を往復して仕事をつづけて行きたいと思ってるんだから。 (セーターを付箋だらけにしてさ) なにをわたしは息巻いているんだろう。 まっ、いいか。。。 今日のミハスの街にみられるようにスペインはカサブランカと呼ばれる白い家並みの街がある。 そんなスペインの風景をずっとスペインで暮らしながら描きつづけてきた画家がいる。 その画家は楢村幸男さん。 ある方をとおして20年ほど前に知った画家である。 日本でも個展をされてわたしは伺って、絵(水彩画)を一枚買った。 わたしにも買える値段であったことと、惹かれるものがあった故である。 いまわが家の居間に飾ってある。 (狭い家なのだが、絵があっちこっちに掛かっていたり置かれていたりする) インターネットで調べてみたら、広島・福山市出身でこの彼の生まれ故郷に楢村幸男美術館が建てられている。 映画「ポニョの家のモデル」かもしれないという美術館である。 むかし、楢村さんをよく知る方からいただいた楢村幸男さんの絵はがき。 スペインを旅しながら、白い家並みにであうと(どこかで見たような)と思っていたのだが、今日この絵はがきをみて、あらためてああ、楢村さんの絵と絵はがきを通してすでにわたしは「白い家(カサブランカ)」を見ていたのだったと分かったのだ。 記憶のなかのスペインが呼び起こされたのだった。
by fragie777
| 2017-02-06 19:55
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