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8月15日(月)月遅れ盆 旧暦7月13日
ウサイン・ボルトは速かった。 今日はボルトの決勝での走りと勝利を見てから、仕事場へ行く。 陸上競技の短距離走やリレーなどを見るのは結構好きである。 鍛えあげた肉体の美しさと競技のシンプルさがいい。 わたしは運動音痴であるが、わたしの母は陸上の選手だった。 国体(でいいのかしら)に何度も出場し、メダルもいくつも持っていた。 足が速いって、走っている時に、どういう風に世界が見えるのかしら。 わたしもナウシカのようだったら良かったのにな。 いまのいままで仕事である。 「鷹羽狩行集成」の季語チェックのみ。 この休みで終えようと目論んだが、いやはや甘かった。 まだ7000句が残っている。 明日からは通常の仕事になるので、休日のようにはそれにのみ集中できない。 まっ、少しずつやっていくしかないな。。。 ポケモン探しをやった新宿御苑はすぐ近くである。 これは地下街の立体的ディスプレイ。 今日の毎日新聞の「新刊紹介」に、 岸孝信句集『ジタン・カポラル』が取り上げられている。 花冷えや廊下に闇の蹲り 岸 孝信 「鷹」同人の第1句集。集名をフランス煙草の名から採るなど遊び心と洒脱さが持ち味で、素材の捉え方に個性を見せる。 相子智恵さんによる「週刊俳句 ウラハイ 月曜日の一句」は 、前田地子句集『跫音』よりの紹介。 隠るるやわれ失禁の高粱畑 前田地子 句集『跫音』(2016.7 ふらんす堂)より 同じ章に〈終戦にならぬ満州月真赤〉〈背なの子の死しても歩く草朧〉〈銀漢や膝抱き眠る無蓋貨車〉という句がある。作者は満州で生まれ(〈大地より賜るわが名雪割草〉も可憐で好きな句だ)戦後の過酷な満州から、文字通り命からがら引き揚げた。 また〈独房の文机涼しインク壺も〉という句を略歴に照らせば、これは戦後十年目に中国撫順の収容所で抑留中の父に会った時の句だとわかる。 戦争は、終戦の日ですぐに終わったわけではない。その当たり前のことを改めて思い知らされる句群である。 掲句、声を詰めて高粱畑に隠れている少女。失禁するほどだから並大抵の恐怖ではない。震えが止まらないだろう。自らの震えで高粱が動いて見つからないように、それでも震えを止めようとしているのだろう。よく実った高粱の香ばしい香りと湿った尿の匂い、大地の土埃の匂いが入り混じる。 戦争という言葉が頭の中だけのものになって、空気が動けばそちらに飛びそうにも思えてくる現代、震える体、失禁という現実、一個人の肉体とともにある戦争の一句を、個人が書かずにはいられなかった一句を、錨のように読み直したいと思った。 最近、いまは「戦後」ではなくて、ひょっとしたら「戦前」になり得るかも、と思いはじめている。それはとてもとてもコワイことだ。 「目を覚ましていなさい」というイエスの言葉をときどき思い起こす。
by fragie777
| 2016-08-15 18:01
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