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1月4日(日) 旧暦11月14日
新春の矢川緑地をあるく。 あたたかな日差しに充ちた今日は、たくさんの鳥たちが闊達に動き回っていた。 一番印象的だったのは、白鷺。 水遊びをすでに終えて身体を乾かしている鳩たち。 一羽ずつ対岸に飛んでいき、こちらに残った数すくない鳩。 翡翠が飛び去っていくのを一瞬見た。 コバルトブルーの残像が残った。 そのほかにも珍しい鳥たちをたくさん見たのだった。 たくさんの目白がにぎやかに鳴いていた。 三毛の野良猫に出会う。 穏やかな顔をしている。 湿原は、鳥たちが縦横無尽に行きかい、気持ちのよい空気がながれていた。 今日の「増殖する歳時記」は、小笠原高志さんによって現代俳句文庫29『池田澄子句集』より。 初明り地球に人も寝て起きて 池田澄子 新しい年が始まる。寒さの中で夜明けを待ち、初日の出を見るとき、その明りが地球を、私たちを暖めてくれている事実に気づかされます。日々、当たり前にくり返されている朝と昼と夜、そして四季が巡っている事実を、あらためて太陽と地球という天体の関係としてとらえ直してみることで、新しい年の日常を迎えいれていく覚悟ができるように思われます。掲句は、そのような、宇宙的視点から人が寝たり起きたりする日常を描いていて、普遍的な人類俳句です。以下、池田さんの新春俳句のいくつかを読んでみます。「年新た此処から空がいつも見え」。たぶん、池田さんは、空を見るのがお好きな方なのでしょう。とくに、年の始まりの空は澄んでいることが多く、何も書かれていない半紙や原稿用紙、画貼と向き合うような清々しさがあります。「湯ざましが出る元日の魔法瓶」。元日は、ゆったりしたテンポで生活しますから、魔法瓶の湯を替えることなく、「元日の茶筒枕になりたがる」となり、お茶もいれずに横たわり、「一年の計にピーナツの皮がちらばる」わけです。だから、「口紅つかう気力体力 寒いわ」。脱力した指先に、口紅をもつために気合いを入れるのですが、あまりに無防備になっているので寒さにやられて、「あらたまの年のはじめの風邪薬」。以上の読みは、句の制作年代もバラバラなので作者の生活実態とはかけ離れていることを付記し、池田さんには新春早々ご無礼をお詫び申し上げます。『池田澄子句集』(ふらんす堂・1995)所収。 この句は元旦の日に、坪内稔典さんによっても、「船団ホームページ 今日の一句」でとりあげられている。 久しぶりに郊外をあるいて、鳥たちを身近に感じながら気持ちのよい一日を過ごしたのだった。 明日から仕事がはじまる。 鳥に元気をもらったから頑張ろうっと。
by fragie777
| 2015-01-04 20:32
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